
(出典)photoAC
自転車用レインコートの選び方

使い勝手のよいレインコートを選ぶためには、形状や機能・安全性・携行性をしっかりとチェックすることが必要です。まずは、自転車用レインコートの選び方を詳しく見ていきましょう。
使用シーンにマッチした形状を選ぶ
レインコートの形状は、以下の4種類に大別できます。
- コート型:丈が長く、そのまま羽織るタイプ。パンツが付属しない
- ポンチョ型:頭からすっぽりかぶるタイプ
- セパレート型:ジャケットとパンツに分かれているタイプ
- 特化型:自転車に乗るために設計された、専用タイプ
コート型は、一般的なコートのように着用できるレインコートです。足元までカバーしたいなら、長めの丈がおすすめです。
ポンチョ型は、リュックや荷物を背負ったままでも着用できます。通気性が良く蒸れにくい形状ですが、『裾がめくれやすい』『腿(もも)から下はカバーしにくい』などがデメリットです。
セパレート型は上下に分かれているため、着用に手間がかかります。ただし、その分防水性は高く、激しい雨にも対応できます。
特化型は、自転車専用に設計されたレインコートです。前傾姿勢に合わせた立体裁断やロングテールが採用されているものがあり、雨の中での自転車移動がスムーズになります。
使用シーンや使い勝手を考慮して、レインコートの形状を決めましょう。
防水性・透湿性の高いものを選ぶ
レインコートを選ぶときは、生地の耐水圧に注目してみましょう。耐水圧が高い生地は雨水が染み込みにくいため、中の衣服もぬれにくくなります。
軽い雨の場合、耐水圧は5,000mm程度が目安です。強い雨での着用も想定するなら、耐水圧10,000mm程度の高性能レインコートを選択しましょう。
また、着用時の快適性を保つために、透湿性の確認も必要です。防水透湿素材を使用していたり、裏地にメッシュ素材を使っていたり、ベンチレーションが付いていたりするレインコートは、体の熱がこもりにくく、蒸れによる不快感を軽減できます。
安全性に配慮されているものを選ぶ
雨の日の自転車移動には、さまざまな危険がともないます。晴れた日に比べて相手から見えにくいだけでなく、自分自身の視界も確保しにくくなります。
以下のポイントをチェックし、安全性に配慮されたレインコートを選択しましょう。
- 明るいカラー:夜間や雨天時でも周囲から見えやすい
- 反射材:夜間や暗い場所での視認性が高まる
- 透明なフード・つば:左右や上方の視界を確保しやすくなる
- 袖や裾の調整機能:袖や裾が車輪に巻き込まれにくくなる
- 適切なフィット感:走行中のずり上がりや露出が起こりにくくなる
袖丈・裾丈の長いタイプは、中の衣服がぬれにくい代わりに、車輪に巻き込まれる恐れがあるので、調整機能があると安心です。
コンパクトに携行できるものを選ぶ
軽量かつコンパクトなレインコートは、『いざというときのため』として持ち歩くのに最適です。バッグやリュックの中に入れてもかさばりにくく、邪魔になりません。急な雨が心配な季節や、絶対にぬれたくない日のお出かけに最適です。
レインコートの携行性を重視する場合は、収納袋の有無も確認しましょう。雨にぬれた後のレインコートを袋にそのまま収納できるため、バッグの中身をぬらさずに済みます。
おすすめのレインコート【コート型】

着丈が長めのコート型は、スポーティ過ぎないデザインが魅力です。自転車を下りてからも使いやすい、おすすめのレインコートを紹介します。
Columbia「ブラックバーンパスコート」
取り外しできるチンガードや、止水ファスナー付きのポケットを搭載したレインコートです。
一見ベーシックなステンカラーコートですが、脇や後ろ身頃にはベンチレーションが配置されています。街中でもアウトドアでも使いやすいデザインと機能性があり、幅広いシーンで着用できます。
生地は2.5レイヤーの防水生地で、コロンビア独自の防水透湿機能『オムニテック』が搭載されているのが特徴です。『雨水が浸透しにくい』『湿気がこもりにくい』などのメリットがあり、軽快で快適な着心地を楽しめます。
ビジネスシーンでも使える自転車用のレインコートを探している人には、特におすすめです。
- 商品名:Columbia「ブラックバーンパスコート」
- 公式サイト:商品はこちら

L.L.Bean「メンズ トレイル・モデル・レイン・コート」
独自のTEK2.5防水透湿素材を採用した、100%ナイロン素材のレインコートです。
湿気を内部にこもらせにくく、ペダリング中の汗や熱もスムーズに放出されます。長めの着丈で雨や風の侵入を防ぎやすく、雨天での自転車走行も快適です。
洗濯機で丸洗いでき、お手入れの手間がかかりません。使わないときは本体のポケットに収納すればよく、携行性にも優れています。
- 商品名:L.L.Bean「メンズ トレイル・モデル・レイン・コート」
- 公式サイト:商品はこちら
おすすめのレインコート【ポンチョ型】

ポンチョ型のレインコートは、着脱の手軽さとストレスのない着用感が魅力です。気軽に使えるポンチョ型レインコートから、自転車走行におすすめの商品を紹介します。
THE NORTH FACE「ウーロスフィールドユーティリティポンチョ」
オーバーサイズ設計で動きやすく、アウターの上からも着用できるレインコートです。THE NORTH FACEらしいスタイリッシュなデザインは、キャンプやフェスはもちろん、タウンユースにも違和感なくなじみます。
外生地の素材『WUROS』は、50デニールのナイロン素材に、加水分解しにくい防水膜とシームテープを組み合わせた特殊生地です。高い防水性・耐久性があり、走行中に降りかかる雨粒をしっかりとはじきます。
フード・裾・腰まわりにはアジャスターがあり、体形や用途に合わせてフィット感を調整できるのも大きな魅力です。フィット感を強めて自転車に乗れば、走行中のバタつきを抑制できるでしょう。
- 商品名:THE NORTH FACE「ウーロスフィールドユーティリティポンチョ」
- 公式サイト:商品はこちら

mont-bell「トレッキング レインポンチョ」
mont-bell独自の高耐水圧素材『ハイドロプロ2レイヤー』を採用したレインコートです。30L程度のリュックを背負っていても無理なく着用できる、ゆとりのあるデザインです。
縫い目にはシームテープ処理、フロントには水をはじくアクアテクトジッパーを配しています。止水性が高く、通常の雨なら縫い目やジップ部分から水が浸入する心配はありません。
自転車に乗るときは、テープとバックルで後ろ身頃を絞れる仕様です。風雨で裾がまくれ上がりにくく、安定的かつ安全に走行できます。
- 商品名:mont-bell「トレッキング レインポンチョ」
- 公式サイト:商品はこちら

おすすめのレインコート【セパレート型】

上下が分かれているセパレート型レインコートは、アクティブに動いてもぬれにくいのが魅力です。自転車走行の快適性を高めたい人に向けて、おすすめのセパレート型を紹介します。
ARC’TERYX「ベータ SL ジャケット メンズ」「ベータ パンツ メンズ」
高い防水・透湿性を持つGORE-TEX素材を採用したレインコートです。ジャケットの裏地にはやわらかくしなやかな『C-KNITバッカー』が使われており、高い耐久性と快適な着心地を楽しめます。
ジャケットには、ヘルメット対応のフードや視認性を確保するリフレクターがあり、雨天でも安全な走行が可能です。軽量かつ丈夫なパンツは激しい動きにも対応でき、ペダリングを邪魔しません。
ジャケット・パンツは別々に着用してもよく、雨の状況やコンディションに合わせてスタイリングをカスタマイズできます。
ワークマン「イナレムストレッチレインスーツ」
ワークマン独自開発の高機能透湿防水素材『イナレム』を使用した、上下セットのレインウェアです。耐水圧約20,000mm、透湿度約25,000g/m²/24hという非常に高い防水透湿性能を持ち、激しい雨にも対応できます。
生地は3レイヤー構造で肌に密着しにくく、ストレッチ性が高いのが特徴です。雨天でも腕や体の動きを妨げず、ペダリングやハンドル操作をスムーズに行えます。付属の収納袋を使えば持ち運びもしやすく、急な雨への備えに適しています。
- 商品名:ワークマン「イナレムストレッチレインスーツ」
- 公式サイト:商品はこちら

MILLET「ティフォン ストレッチ ジャケット」「ティフォン ストレッチパンツ」
MILLET独自の高性能防水透湿素材と高いストレッチ性を両立した、高機能レインウェアです。
表地には独自開発の3層防水透湿素材『ティフォン50000』が採用されており、耐水圧約30,000mm、透湿性約50,000g/m²/24hという非常に高い性能を持ちます。雨や蒸れに強く、雨天でも快適な走行が可能です。
裏地に使われている15デニールのニット生地はやわらかく、ストレッチ性があります。腕や脚の動きが制限されにくく、運転もスムーズです。
このほか、自転車走行に便利な装備として、ジャケットにはヘルメット対応可能なプロテクティブバイザー付きフード、パンツには裾のフィット感を調節できるドローコードが付属しています。
商品名:MILLET「ティフォン ストレッチ ジャケット」
公式サイト:商品はこちら
商品名:MILLET「ティフォン ストレッチパンツ」
公式サイト:商品はこちら

CHUMS「ロックビルジャケット」「ロックビルパンツ」
耐水圧約15,000mm、透湿性約20,000g/m²/24hの2.5レイヤー構造を採用し、防水透湿性の高いレインウェアです。ジャケット・パンツともに、CHUMSらしい個性的なカラーリングやシルエットが採用され、デザイン性にも優れています。
ジャケットは着丈が長めに作られており、前傾姿勢を取りやすいのが魅力です。袖口には面ファスナー(ベルクロ)、フードにはドローコードが付属しており、走行中の風雨の侵入にも耐えやすいでしょう。
パンツの裾は、ドットボタンでフィット感を調整できる仕様です。ペダルをこぐときに、巻き込みのリスクを低減できます。
おすすめのレインコート【特化型】

自転車に乗る頻度が高い人は、自転車用に特化したレインコートがおすすめです。自転車走行のために設計された、おすすめのレインコートを紹介します。
mont-bell「サイクル レインジャケット」
耐水圧約20,000mm以上の高い防水性と優れた透湿性を併せ持つ、GORE-TEX素材のレインコートです。前傾姿勢に合わせた立体裁断やロングテールデザインが採用されており、走行中に腰や手首の露出を心配せずに済みます。
背面はバイアスストレッチ仕様で斜め方向に伸縮し、前傾姿勢を取りやすいのが特徴です。自転車をこぐときにつっぱり感を覚えにくく、雨の日も快適かつスムーズに走行できます。
独自設計のフードは、3方向から調整できる仕様です。顔の動きにフィットさせやすく、良好な視界を確保できます。
- 商品名:mont-bell「サイクル レインジャケット」
- 公式サイト:商品はこちら

KiU「キウビジブルバイシクルレインポンチョ K407」
耐水圧約10,000mmのはっ水・防水加工生地を採用した、レインコートです。袖付きアノラック型デザインの採用により、自転車走行中のスムーズな動きやバタつきの抑制が実現されています。
フードは、首の向きに応じて左右に追従する独自の構造を採用しています。左右の視界が遮られにくく、交差点や曲がり角でもスムーズに安全確認できるでしょう。
つばや袖部分にはリフレクターが配されており、ドライバーからの視認性も良好です。混雑した道路や都市部で安全性を確保しやすく、雨天でもストレスなく走行できます。
スーツや制服の上から容易に着用できるため、通勤・通学用のレインコートにおすすめです。
- 商品名:KiU「キウビジブルバイシクルレインポンチョ K407」
- 公式サイト:商品はこちら

まとめ

自転車用レインコートは、使用するシーンによって最適な形状や性能・機能が異なります。コート型・ポンチョ型・セパレート型・特化型の違いや特徴を踏まえ、使用シーンにマッチした機能・防水性を搭載したレインコートを選択することが大切です。
特に屋外アクティビティで活用する場合は、安全面のチェックも重要なポイントとなります。暗い場所での視認性を高めるリフレクターや、袖・裾の調整機能、透明なつばなどがあると安心です。
自分に合ったレインコートを見つけて、雨天でも快適にサイクリングを楽しみましょう。