テーマは“どうにでもなる家”!子供と一緒に成長を続ける「発展途上なベース基地」を拝見
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    2024.02.27

    テーマは“どうにでもなる家”!子供と一緒に成長を続ける「発展途上なベース基地」を拝見

    テーマは“どうにでもなる家”!子供と一緒に成長を続ける「発展途上なベース基地」を拝見
    おウチを丸ごと親子で楽しめるようにしたり、趣味の道具に囲まれてひとりで楽しめる部屋をつくったり。キャンパーズ・ハウスのかたちはそれぞれ。思わず憧れてしまう素敵な家を訪ねてみました。

    テーマは"どうにでもなる家"!

    玄関から土間まで一直線に見渡せるリビング&ダイニング。明るい日差しに上を見上げれば、開放的な吹き抜け空間が広がる。

    「家中に声が響くから、誰がどこにいるかなんとなくわかるんですよ。個室に閉じこもるんじゃなくて、家族の気配を感じられる家にしたかったんです」
     
    と、家主の中口逸人さん。2階建てではあるが、フロアは7つに分かれ、すべて扉がないので、立体ワンルームといった雰囲気。家族にとっての心地よい距離感を大切にしたい、という思いが伝わってくる。

    「それに、子供の成長に応じてライフスタイルも変わるだろうから、“どうにでもなる家”にしたかったんですよ」
     
    梁などの構造は露出し、内壁は壁紙を貼らず木張りのままに。そのため、間仕切りが欲しいと思えば容易に増設でき、棚を追加したり、ハンモックを吊るしたりと、自由に遊べる。

    「壁にクロスを貼ると、どうしてもキレイにしようって思っちゃう。そんな小さなストレスもない家がいい。我が家はどこに落書きしてもOKです!」
     
    たしかに家の至る所に落書きが! それが温かみのある雰囲気を醸し出しているから不思議。

    「子供の友達が遊びにくると、絶対かくれんぼしてますよ」
     
    日々、成長を続けるベース基地……否、秘密基地のような家だ。

    コストカットのため、内壁も外壁も無塗装。建坪約80㎡とやや狭小住宅だったこともあり、収納スペースは極力減らした。

    「床だけは毛羽立ってガサガサしてたんで、浸透系のオイルを塗ってもらいました。外壁はベイスギですが、たまに反ってバーンって割れたり。でも、それも愛おしい。家も生きてるね、って家族で話してます(笑)」
     
    7年経ち、経年変化で味のある色合いに成長している。
     
    一方、子供の成長とともに趣味も広がり、モノは増えるばかり。創太郎くんと一緒にはじめたBMXを皮切りに、自転車を積んでの遠征のために購入したハイエースのおかげで、キャンプデビューも果たした。最近は父子で釣りにも行くように。

    「その度に、壁に収納棚を増設したり、天井に吊ったりして、アイデアで乗り切ってます」
     
    基本、すべて手作り。

    「お店で探すより作っちゃった方が早いし、スペースに合わせてジャストサイズで作れるので」
     
    ウッドデッキも高校の同級生(大工さん)とふたりで作り上げた。リビングと高さを合わせることで、室内と屋外がシームレスでつながり、使い勝手抜群。車も横付けできるので、キャンプ道具の搬入にも便利だ。“常に暮らしやすさを考えるようになった”という逸人さん自身も、日々進化を遂げているようだ。

    会社員
    中口逸人さんファミリー

    左から長男で小6の創太郎くん、中1の長女夏響ちゃん、小1のひなたちゃん、妻のゆうこさん。昨年冬キャンデビューし「月イチで行きたい!」とゆうこさん。

    中口逸人さんファミリー

    LIVING & DINING

    開放的な空間で家族の気配を感じる

    Before

    7年前の竣工当時

    7年前の竣工当時。壁は構造用合板でまっさら、天井も躯体が現われていてまだ建築途中のよう。

    After

    家族勢ぞろい

    キッチンと対面式のカウンター

    キッチンと対面式のカウンターが、家族全員の憩いの場。「必ずここを通るのでこっそり帰ってこれないのがいい」

    可動式の棚

    食器は可動式の棚で見せる収納。

    落書き

    内壁はクロスを貼らず(コストカットにも)、自由に落書きできるのが中口流。

    ゆうこさんの仕事スペース

    ゆうこさんの仕事スペースも可動棚をフル活用。

    フリスビー

    趣味のかぎ針編みで作ったフリスビーも壁に飾りつつ収納する。

    KIDS ROOM

    子供の成長とともに変身する自由な間取り

    Before

    ロフト付きのワンルーム

    もともとロフト付きのワンルームだったが、子供たちの成長に合わせて、間仕切りを設置した。

    After

    ロフトの現在

    ロフトはカーテンを付け、夏響ちゃんと創太郎くんの寝室に。いずれひなたちゃんも加わる予定。

    個々のスペースを確保

    間仕切りで3部屋に分割し、個々のスペースを確保。

    吹き抜け空間

    1階からつながる吹き抜け空間。手すりにはハンモックに見立てた網を張り、落下防止に。

    DIRT FLOOR

    土間は収納庫兼第二のリビング 

    Before

    全面収納棚

    当初、壁面収納は壁一面で、作業用デスクを設置していたが、全面収納棚に変身。

    After

    約8畳のコンクリート土間

    玄関ドアをくぐると約8畳のコンクリート土間が広がる。あえて土足厳禁にし、リビングと裸足で行き来できるようにした。

    家中の棚が可動式

    家中の棚が可動式だが、重量のある水槽の棚だけ固定棚に。よく使うバッグ類は手に取りやすいよう壁に掛けて収納。

    壁一面分可動棚を追加

    物量が増えたので壁一面分可動棚を追加。

    HOBBY ROOM 

    DIYアイデアを駆使した
    ワーキング!? スペース

    逸人さんのワーキングスペース

    キッチンの上に位置する、逸人さんのワーキングスペース。手前はキャンプ道具を配し第三のリビングに。

    自作の壁面収納

    釘を使った自作の壁面収納。使うものがすぐ手に取れて便利。

    ルアー

    フローリングの端材で製作したルアー。

    自作のディスプレイラック

    拾った枝を使った自作のディスプレイラック。

    WOOD DECK

    駐車場との動線もバッチリな家族の遊び場

    Before

    箱型の建物

    箱型の建物。無塗装のベイスギを採用。周囲は垣根で囲われているぐらい。

    After

    デッキ

    何事も使い勝手の良さ優先

    屋外リビングであるデッキは、日除けのタープを張り、BMXのメンテナンスやBBQを楽しむ。愛車を横付けできるので、キャンプなどで汚れたものも直接運搬できて便利。普段は洗濯物干し場として活用。

     

    中口さんファミリーの おウチPOINT

    1 使用頻度が高い物はしまわない

    2 ライフスタイルで間取りを変更

    3 乱雑でも見栄えが良ければOK

    ※構成/大石裕美 撮影/三浦孝明、花岡慎一(Before写真)

    (BE-PAL 2024年3月号より)

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