日本伝統のコンロは楽しい!人気団子屋さんに聞く「七輪x炭」の究極使いこなし術 | 炭火コンロ・BBQグリル 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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  • 日本伝統のコンロは楽しい!人気団子屋さんに聞く「七輪x炭」の究極使いこなし術

    2023.01.13

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    火を通じて、心を整える。時間をかけて、じっくりと。

    「火を知り」「火を操る」ためのノウハウを、七輪の達人に取材。後半には七輪を使ったおいしいメニューも紹介しているので、じっくりご覧あれ!

    環境破壊の現実を知り、自転車で旅をしたのが出発点

    「七輪ほど優秀な調理器具はなかなかないんじゃないですかね」と土居一洋さんはいう。

    「とにかく熱効率がいいんです。BBQコンロと比べてはるかに少量の炭で済むし、火力も強い。それに火おこしも簡単です」
     
    土居さんは三重県の山あいで団子屋を営み、七輪で団子を焼いている。そこに至った経緯がおもしろい。
     
    17年前、土居さんは『百年の愚行』という写真集に出会って、環境破壊の現実に衝撃を受け、一人でも多くの人にこの本を見てもらいたいと考えた。で、全国の図書館をすべて自転車で回って本を置いてもらうよう直訴する旅に出発。同時に自身も“図書館”になり、子供にもわかる環境系の本を貸し出していった。返却の代わりに次の人に回すという仕組みだ(つまり実質、配布)。各地でアルバイトをしながら8年近くこんな旅を続け、食費を切り詰めて痩せ細る一方、本には100万円以上つぎ込んで約1600冊配り、2640の図書館を回った。

    土居一洋さん(右)、土居利枝さん(左)

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    かつて「じてんしゃ図書館」館長として全国行脚し(その旅は小誌でも紹介された)、現在は行列のできる団子屋に。店の切り盛りは妻の利枝さん。こだわりすぎて大量生産できず、現在は週3日営業。「杵つき炭火焼き団子 ひと味違いますよ」

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    団子は杉樽醤油と三河みりんのみたらしに、和三盆糖使用のきな粉、素材の良さがわかる素焼きまで。夏はわらび餅、冬はぜんざいも。

    ●ひとえや●

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    三重県津市白山町岡106 営業時間:10:30〜16:00(売り切れ次第終了) 定休日:月、火、水、木曜 https://www.instagram.com/hitoeya/?hl=ja

    日本の伝統の良さをたくさんの人に伝えるために

    その全国行脚で痛感したのが、日本の産業の衰退だった。安い外国産に圧され、国産品がどんどん消えている。何とか守りたい。商売をやって儲けを出せば、高価な国産品も使えるし、日本の伝統の良さをたくさんの人に伝えられるんじゃないか。それなら多くの人に親しまれる団子がいいな――そんな考えから今の店をはじめたのだ。無農薬の国産米を杵でつき、国産の竹串に刺して、薪窯で蒸し、杉樽仕込みの醤油を塗って、地球に優しい日本古来の七輪で焼く。
     
    見ていると火力の強さは想像以上だった。団子をのせたそばから煙が立ち、焼き色が付く。ひっきりなしに串を持って返していく。意外だったのが、うちわであおがないことだ。

    「七輪は自動的に空気を循環するので、あおぐ必要ないんです。店にはうちわも置いてません」
     
    焼き上がった団子を食べてみると、炭焼きの香ばしさと米の濃い甘みが広がった。

    七輪はここがスゴイ

    熱効率が極めて高い

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    持ち運びが楽、手入れも楽など、利点の多い七輪だが、最大の魅力は燃費の良さ。焼き物は最小限の炭で済むし、熱が逃げない構造なので鍋での煮炊きにも力を発揮。

    周りが熱くならず卓上で使える

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    珪藻土でできた本体は断熱性が高く、側面は火傷するほど熱くならないから、鍋料理を囲むように座れ、周りに食材やビールも置ける。少人数の焼き肉にもってこい。

    資源を有効活用! 炭の復活術

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    環境問題に取り組んできた土居さんだけに、炭は無駄なく活用する。「火消し壺」に燃えている炭を入れ、酸欠状態にして消火すれば、「消し炭」となって再利用できる。消し炭は火がつきやすいので非常に有用。

    七輪は手軽だ!

    「七輪の魅力はまだまだありますよ」と土居さんは近くの自宅に招いてくれた。立派な古民家だ。空き家を買ったらしい。
     
    土居さんは庭にテーブルを置き、七輪をのせ、炭をおこした。

    「七輪は周りが熱くならないから鍋みたいに囲んで座れます。4人までの焼き肉ならBBQコンロより断然七輪がいいです」
     
    妻の利枝さんも入って焼き肉を囲んだ。確かに着火剤だけで簡単に火がつくし、同じ卓に食材も置けるのでカセットコンロみたいに使える。手軽だなあ。

    「火力が安定して長持ちするから、続けていろんな料理ができます」と土居さんはアルミホイルでホタテ、イカ、野菜を包み、七輪にのせた。バターと海鮮の香りが漂ってくる。ホイルを開くと、具材から滲み出たスープがあふれだした。それを吸ったじゃがいものうまいこと(最初に食べた松阪牛以上かも)。肉のあとの海鮮は、幸福感を広げてくれるなあとしみじみ思う。

    七輪で手軽に炭をおこす方法

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    七輪の底に敷かれた火皿の上に着火剤を並べる。土居さんが愛用しているのはホームセンターでもおなじみ、安価で火力も強い富士屋の「文化たきつけ」。

    1.オガ炭

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    火付けは炭の置き方が大事。七輪下部の風口から入った空気が上に抜けるように置く。オガ炭は中央の穴が空気の通り道になるため、立てて並べる。

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    「ウチはやらないんでよくわからないですけど、急ぐ場合はまあ、あおぐのもありなのかな」と土居さん。うちわがないから扇子であおいでみました。

    2.黒炭

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    天然木を炭化させた黒炭は井桁に組んで置く。丸型の七輪の場合は壁に沿って円筒状に組むか、立てるなどして、とにかく空気の通り道をつくる。

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    火がつくと気流が発生し、空気の通り道から炎が上がる。七輪はこの「煙突効果」を活用した構造になっているため、あおがなくても炭に火が付く。

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    火が付いたら、焼き肉などをする場合は、立てていたオガ炭を横にする。立てたままだと中央の穴から炎が噴き出て火力が強くなりすぎるため、すぐに焦げてしまう。

    元祖“家庭用コンロ”七輪で炭焼きのおいしさを堪能

    「締めは炊き込みご飯です。テレビで観たレシピですけどね」
     
    土居さんは土鍋の中で水につけておいた米に、何と焼き肉のタレを入れた。味つけはそれだけ。そこにシメジや鮭の切り身を入れ、蓋をして七輪へ。ぐつぐつ沸いて10分で完成。蒸らして蓋を開けると、みんなの顔が輝いた。食べてみると、なんだこりゃ? 完璧な炊き込みご飯じゃん。“焼き肉のタレ感”は皆無だ。こりゃ焼き肉のあとは毎回この炊き込みご飯でいいよ。簡単なのにうますぎる!
     
    なるほど、もともと家庭用のコンロだったんだもんな。普通に調理しやすいわけだ。
     
    炭焼きのおいしさを堪能できるうえに、準備も調理も手軽、洗わなくていいから(逆に水洗い厳禁)、片付けも楽ちん。友人がふらりと遊びにきたら、「それじゃ、ま」と庭でBBQ、そんな気楽さが粋だよなあ。見た目も渋いし、これからの季節は暖も取れてソロキャンプにもいいかも! ただ、テント内では使わないでね。意外とすぐに立てなくなりますよ(一酸化炭素中毒経験ありの筆者談。あは)。

    土居さんいち推し!

    七輪おすすめフルコース

    仲間との距離が近づく少人数焼き肉

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    七輪の良さは卓上で使え、箸でつつける距離でみんなで囲めること。うまみを閉じ込め、ジューシーに、かつ香ばしく焼きあげる炭火の長所を味わうなら、何といっても焼き肉が一番!

    赤外線効果でうまさが違う!

    焼き肉の締めに!

    超簡単炊き込みご飯

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    2合の米に焼き肉のタレを大さじ3杯入れて混ぜる。味付けはこれだけ。不思議なぐらい"焼き肉のタレ感"は消える。

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    シメジとエノキダケをほぐして入れ、鮭の切り身を2切れ、そのままのせる。包丁もほとんど使わずに準備完了。

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    沸騰してから10分炊き、火からはずして10分蒸らす。蓋を開けるときのワクワク感と開けた瞬間の「おーっ」もまた楽しからずや。

    ジャンクさ皆無! まるで料亭の味

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    鮭の皮と骨を取ってほぐし、ご飯や他の具と混ぜ合わせ、ネギを散らして完成。焼き肉のタレとは思えないほど上品な味に一同びっくり。

    七輪料理の新たな決定版!

    幸せ感がいや増す「海鮮ホイル焼き」

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    アルミホイルに油をひき、スライスしたじゃがいもと玉ねぎ、ホタテ、イカ、キノコ類、塩胡椒、バター、醤油の順に入れて七輪へ。バカうまで、筆者の定番メニュー入り決定。

    達人的、炭を使いこなす3要素

    七輪の底部と炭の量に注意

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    底部は熱くなるので、卓上で使うときは板を渡して浮かすか、レンガやコンクリートブロックなどをのせ、その上に七輪を置くべし。

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    ついついたくさんくべてしまいがちだけれど、炭を入れすぎると食材がすぐに焦げてしまう。焼き肉なら写真ぐらいの量で十分。

    炭の爆跳は湿気対策で防ぐ

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    炭がはぜる最大の原因は湿気。長く使わないようであればビニール袋で密閉を。土居さん曰く、オガ炭でも湿ればときにはぜるそう。

    炭と七輪はこれがおすすめ!

    切り出し七輪

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    天然の珪藻土の塊を切り出して削り、焼き上げた七輪。丸型の小さいものでも1万円前後と、それなりに高額だけれど、軽くて丈夫。

    練りもの七輪

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    珪藻土を粉末にして練り、型に流し込んで成形した七輪。大量生産できるため安価だが、重くなり、劣化すると外側から崩れていく。

    黒炭

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    高温で炭化させた高級な「白炭」に比べ、比較的低温で天然の木を熱してつくる「黒炭」は、火持ちは悪いが、安価で火力は強い。

    オガ炭

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    木材の加工時に出るオガクズを固めて焼き上げた炭。黒炭より火付けに時間はかかるが、燃焼時間が長く、爆跳の心配も少ない。

    「ひとえや」御用達の炭

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    土居さんがいろいろ試した結果、気に入って使っているのが奈良炭化工業のオガ炭「さくら炭」。火付けが楽で、火持ちもいいとか。

     

    ※構成/石田ゆうすけ 撮影/安田健示

    (BE-PAL 2022年12月号より)

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