最強雑草との戦い!スマート農業とはほど遠いオーガニック野菜作り | 農業・ガーデニング 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2021.07.21 農業雨のちハレ、ときどき農業生活

    ボックスすべて“最強の雑草”ことスギナとの格闘の成果。

    約1200平米の耕作放棄地を借りた友人のお手伝いする形で朝農業を楽しんでいるのですが、農業って、すぐに種をまいて収穫を待つという簡単なものじゃないんです。春野菜にせよ、夏野菜にせよ、まずは雑草天国と化した耕作放棄地を農地に変える必要があって、この極めて地味な雑草抜きをひたすら続けるのが春先の仕事になります。今回は、農業に欠かせない畑を整える作業についてお伝えします。

    ご近所さんは、俺たちのことを笑っているよ、きっと!

    ニンジン畑の右横で雑草取り。

    巷ではテクノロジーを使った「スマート農業」と称した新しい動きがあります。スマート農業とは、ロボット技術や情報通信技術(ICT)を活用して、省力化・精密化や高品質生産を実現することなどを推進している新たな農業のことで、ロボットトラクターを使って人的リソースを最小化したり、畑にセンサーを組み込んでスマホで操作する管理システムであったりと、ITなど最先端技術を駆使した自動化で効率的かつ生産的な新たな仕組みとして農水省も推奨しています。

    農業を取り巻く高齢化や後継者不足という社会問題へのソリューションとして注目されているスマート農業ですが、僕らの農作業はそれとはほど遠いものです。

    僕が手伝っている農園の主は、「除草剤をパッとまいて、大型の耕運機でサクッと耕せば、こんな苦労はしなくて済むんだよね(笑)」と自嘲気味に話します。僕らが目指している農業は、ドローンで農薬散布して、大型の耕運機で一気に耕すというものではありません。完全オーガニックな野菜作りを目指しているのです。そのため、朝から膝づめで雑草と向き合い続けています。

    汚れてもいい服を着込んでしゃがみ込み、膝を地面につけ、スコップで土の奥まで掘っては、手を入れて草を抜く。同じことをしている農家の方々は周囲を見渡す限りいないようです(笑)。

    最強の雑草ツートップとの戦い

    さて、僕らが「雑草界の最強ツートップ」と呼ぶ草があります。「ハマスゲ」と「スギナ」です。

    “孤高のファイター” ハマスゲ

    カヤツリグサ科の多年草で、地下部に塊茎と呼ばれる球根のような部位を持っています。この塊茎に光合成をして作ったデンプンをため、葉が刈り取られても、この塊茎が地中に少しでも残っているとすぐに再生する厄介者です。冬になっても枯れない草で、畑地や樹園地はもちろん、乾燥した砂地でも育つ強靭な生命力を持ち合わせた世界的な強害雑草として有名。孤高のファイターのよう。対処法は、ただひたすら根こそぎ除去するのみです。

    根は深くないが、生命力あるハマスゲ。

    “根っこネットワークを築く曲者” スギナ

    シダ植物の仲間でトクサ科の多年草。杉の木に似ているところから名付けられたという説があるようですが、スギナも冬になっても枯れない雑草として、冬の間に地中深くに根を張り巡らせます。ハマスゲが単独で生育するのに対して、地下深くでネットワークを築くのがスギナの最大の特徴かもしれません。

    早春に芽を出すと「ツクシ」と呼ばれます。ツクシはスギナの胞子茎だそうで、ツクシだとなんだか愛着を抱いてしまうのだけど、そんなことはない”超”がいくつも付く曲者です。

    こんな風にスギナは地下深くにネットワークを築く。

    下の写真を見てください。手前の緑も、横たわったスコップの奥に広がる一面の緑の絨毯もすべてスギナです。そして、スギナにまぎれるようにハマスゲがいます。ハマスゲとスギナの枯れることのない生命力、ネットワークを駆使した繁殖力、根深い頑固者との対決は、作業を重労働化させます。

    バスケットコート3面分ある畑の緑は雑草たち。

    こうして数10cmも地中深くまでスコップで掘り、彼らのネットワークを一網打尽にしなければ、またすぐに生えてくるのです。僕らの雑草との戦いの大変さが伝わるでしょうか?

    地下数10cm掘っても、根っこの先端にたどりつかないことも。

    彼らと2時間ほど格闘すると、ようやくボックスがいっぱいになります。

    2時間かけて取ったスギナはボックス1つ分だけ。根気のいる作業。

    約1200平米の農地をいくつかのブロックに分け、雑草を取り除いては、ミニ耕運機で耕し、畝(うね)を作って、種や苗を植える。そして、別のブロックの雑草を抜いてを延々と繰り返す日々が春から初夏にかけてのルーティンです。

    収穫までの道のりは地味で単調な作業ばかりですが、不思議と苦にならないのは、僕らがトライアスリートやトレイルランナーだからでしょうか。自然の中に身を置き、自分と対峙しながらひたすら前に進んでいく泥臭い活動は、ITを駆使したスマートさに欠けるものの、農業と合っているのかもしれません。農業とエンデュランススポーツは相通ずるものがあるように思います。

     

    私が書きました!
    フリーライター
    山田 洋
    2020年3月から、「ときどき農業生活」を始める。きっかけは「耕作放棄地を農地に再生したい!」と、1200平米ほどの農地を借りた友人のお手伝いから。リモートワークと並行しながら、100%オーガニックの鎌倉野菜を育てるために朝農業を続けている。趣味はトレイルランニング。

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