NASAも使用する断熱材「エアロゲル」採用の防寒ジャケット | アウトドアウェア 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

NASAも使用する断熱材「エアロゲル」採用の防寒ジャケット

2020.12.07

私が書きました!
自然派ライター/セルフビルダー
和田義弥
1973年生まれ。旅、アウトドア、DIY、田舎暮らし、家庭菜園などのジャンルで活躍するフリーライター。これまで延べ3年3カ月かけてオートバイで世界一周したほか、自転車ではアラスカ、フィリピンを野宿ツーリング。2011年から茨城県筑波山麓の農村で田舎暮らし。自宅のセルフビルドや野菜づくりなど、できることは何でも手づくりの生活を実践中。著書に「キャンプの基本がすべてわかる本」(枻出版社)、「野菜づくりを基礎から学ぶ 庭先菜園12ヵ月」(実業之日本社)、「ニワトリと暮らす」(地球丸)、「菜園DIY入門」(地球丸)など多数。 http://www.wadayoshi.com

カラーは写真のホワイトのほかにブラックもラインナップされている。

Makuake(マクアケ)ってご存知ですか? 2013年にスタートした日本最大級のクラウドファンディングサイトなのだが、私は、そういうことにあまり興味がないもので、つい最近まで知りませんでした。

Makuakeで紹介されているのは、まだ一般の市場にない新しいアイデアや技術。それに投資(購入)することで、アイテムの入手やプロジェクトの体験ができたりするというものだ。

そのMakuake12月7日から公開されるアウトドアジャケットを先行して入手したので、そのレビューをしたいと思う。

宇宙服にも使用される断熱材

商品名は「ボレアスジャケット」。香港のアパレルベンチャーが展開する「wen times」というブランドだ。

このジャケットは「エアロゲル」という素材を使っているのが特徴だ。二酸化ケイ素を骨格とし、90%以上が空気から構成される物質である。

具体的に何がすごいかといえば断熱性である。YouTubeで公開されているメーカーの実験動画によれば、厚さ2㎜のエアロゲルに包んだ生肉を-196℃の液体窒素に20秒浸しても、中の生肉は凍ることなく柔らかい状態を保っている。冷気を完全にシャットアウトしているのだ。その断熱性に目をつけたNASAは宇宙服にこのエアロゲルを使用している。ちなみに宇宙空間の温度は-270℃である。

フードが付くが収納や着脱はできない。

エアロゲルが発明されたのは1931年と90年も前なのだが、製造工程などさまざまなハードルがあり、これまで一般に流用されることはほとんどなかった。それが近年の技術革新や環境への意識の高まりなどで実用化が進んでいるのだ。

ボレアスジャケットには厚さ2㎜のエアロゲルが採用されており、それに防水透湿素材を融合。表地は難燃性に優れたアラミド繊維を採用しているため、キャンプで焚き火の火の粉が飛んだくらいでは穴があく心配はない。裏地はシルバーの反射材になっていて、人体の赤外線を反射して保温性を高めるしくみである。

裏地は反射素材で保温性を高めている。

と、ここまでがボレアスジャケットの基本性能。それを踏まえて実際の着心地や使い勝手はどうなのか。

Tシャツにこれ1枚でOK

まず、手に取って最初に感じたのは、想像していたよりウェア自体は薄くなかったということだ。なぜそう感じたかといえば、厚さ2㎜の断熱材というイメージを強く持っていたからで、ウェアとして完成させるためには先に記したさまざまな素材と融合させる必要があるのだから、当然それなりの厚みになる。個人的な感覚で言えばウィンタージャケットとしては中厚くらいだ。

通常、私は、日常でも、アウトドアでもウェアは重ね着が基本である。吸湿速乾性のシャツをベースレイヤーにして、その上に保温性のあるフリースなどをミドルレイヤーとして着用し、アウターは雨や風などから身を守る防水透湿性のジャケットやダウンジャケットなどを着る。汗をかいたり、冷え込んだりした場合に、ウェアの着脱で容易に体温を調整できるからだ。そういうわけなので、アウターのジャケットは中にフリースなどを着こめる余裕のあるものを選ぶのだが、ボレアスジャケットはシルエットがスリムでフィット感が高く、フリースなどを着こむとちょっと動きにくい。いや、そもそもミドルレイヤーを必要とするジャケットではないのである。薄手のシャツの上にボレアスジャケットを羽織るだけで、エアロゲルの断熱性によりしっかり体温がキープされるのだ。

内側に電池不要の体温計を内蔵。

本格的なウィンターシーズンの前なので、極寒の中で使用したわけではないけれど、ボレアスジャケットを着て晩秋の風の冷たい日にオートバイをちょいと走らせた。風に当たると体感温度は風速1m/秒につき1℃下がると言われている。時速60㎞だとおよそ16度。気温13度の日だったので、-3℃ということになる。しかし、これがまったく寒さを感じないのである。ジャケットの中に着ていたのはTシャツ1枚だけ。首元はすっぽり包まれる防風仕様で、袖口は2層構造でインナーが手首にフィットする。

オートバイはスリムなジャケットのほうが様になる。真夏以外は走行中に汗をかくこともない。そういう点でボレアスジャケットは向いているかもしれない。スキーやスノボにもいいだろう。

表地は難燃性で焚き火もOK

レイヤリングによる体温の調整がしにくいため、個人的には運動量のあるアウトドアアクティビティのアウターとしては着にくいが、キャンプはありだろう。天候に左右されず、焚き火でも安心して使えるのはとてもいい。最近、冬キャンプが流行っているからね。また、重ね着で着ぶくれたくないという人にもおすすめ。薄手のシャツにこれ1枚着るだけで、かなりの寒さに対応できると思う。

耐久性やよりハードな環境でどうなのかなど、長く使ってみないと分からないこともあるけれど、新しい素材には可能性がある。ナイロンやゴアテックスがそうであったようにエアロゲルの断熱性能は、これかのアウトドアウェアを変えていくかもしれない。

en times ・ボレアスジャケットの価格は45800円。Makuakeの予約販売では最大45%オフになる。プロジェクトが順調に進めば、その後アマゾンなどのECサイトでも販売される予定だ。

https://www.makuake.com/project/boreas_jacket/

(※公開日:2020年12月7日(月)正午12時)

 

 

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