
「シー トゥー サミット」って?

人力のみで海から山へ移動し自然を楽しむ環境スポーツイベント。今年は全国で11大会を開催。タイムの計測はするがレースではない。
オホーツク SEA TO SUMMIT 2025

オホーツク大会は、知床半島の玄関口でもある網走市と小清水町で開催された。総距離は約44.5㎞。本大会唯一の列車での移動があり、シートゥーサミットのために特別運行された。

出場してきた人 ライター・スドー

四季折々の北海道を訪れて自然を楽しんでいる坂東人。好きなセコマのおにぎりは、塩さばとすじこ。モンベルと同じくsince 1975!

今年で5回目の開催となる「オホーツク シー トゥー サミット2025」。エゾハルゼミの鳴き声にハマナスの花、早朝の網走湖には初夏の心地よい風が吹いていた。
「アーユーレディー?」「イエーイ!」モンベル辰野勇会長の掛け声に呼応する出場者たち、気合い十分にカヤックからスタート。網走湖から進路はゆったりと流れる網走川へ。海鳥が頭上を先行していき、海は近い。
河口が近づくにつれ広がる川幅。写真でしか見たことがないが、厳冬期になればここには流氷が入ってくる。「川のどこまで流氷は入ってくるのだろう〜」まだ夏すら始まってもいないのに、流氷に思いを馳せてしまう。
カヤックの次は、網走駅から浜小清水駅までの区間を特別列車で移動する。この大会のためだけに走り出場者だけが乗れるのだ。先頭車輌には流氷とクリオネが描かれていて、否が応にも気分が上がる。轟音を立てて走る列車、車窓から知床半島先端部を遠くに望む。
旅情に浸っていると浜小清水駅に到着。「あ〜もっと乗っていたい」後ろ髪を引かれながら下車、次なるバイクセクションへ向かう。全長35㎞のバイクはいわば核心だ(なんたってずっと登り!)。頑張るぞぉ〜。
朝の心地よい風は強烈な向かい風に変貌していた。えっさえっさとペダルを漕ぐ。畑のじゃがいもの葉もゆっさゆっさと揺れている。「きつい風ですね〜」出場者同士励まし合う。バイクセクションも半分を過ぎたころ、強風のため大会が中止になったとの知らせが届いた。残念だが仕方がない、踵を返して町へ戻る。
そして、最後は大抽選会。メインイベント並みに盛り上がり、なんとスドーも見事当たり。思わぬギフトに感謝感激。藻琴山登りたかったな、次は冬かな、オオワシも見たい。心残りは次の旅の始まりの予感、広い空に再訪を誓った。
すでに楽しい"大会前日"
環境シンポジウムでこの土地の自然にまつわる講演を聞く。そして、夕方にはウェルカムパーティーが始まった。地場産の食事や地元ブラスバンドの演奏も堪能。

猛禽類医学研究所齊藤慶輔氏のこの地の象徴であるオオワシやオジロワシの話は興味深かった。

パーティーでは網走ちゃんぽんと網走ビールの流氷ドラフト、網走特産の揚げかまぼこ。旨し。

KAYAK 7.5km

Yeah!!

網走湖から網走川を漕ぐカヤックセクション。カヌーやSUPなど様々な艇で出場できる。元オリンピアンの岡崎朋美さんも出場、大会を盛り上げる。


カニの補給食

特別列車で移動

カヤックの終了点から網走駅まで歩き、特別列車に乗る。昨年引退した車輌のキハ54形が走るとあって、一般の鉄道ファンも集結して熱い視線を向けていた。

BIKE 35km

だだっ広〜い大地にす〜っと延びた一本道、その名も「じゃがいも街道」。強い向かい風に負けじとべダルを漕ぐ。

バイクのスタート時。まだまだ余裕綽々「いい眺めだった」特別列車の興奮冷めやらぬ。

信号がほとんどない畑の中の真っ平らな道をいく。目指す藻琴山はまだまだずっと先だ。

絶品スイートポテト!
↓
Too Bad…

天候悪化のため、ココで中止!

途中で戻ってくる出場者がチラホラ。「強風で中止です、戻ってください!」との声が。残念!
メインは抽選会だった!?

大会のラストを飾るのは大抽選会。地元特産品などの豪華賞品がずらり並び、抽選のたびに会場は一喜一憂。なんと、スドーも大当たり!

●シー トゥー サミットの情報はhttps://www.seatosummit.jp/
※構成/須藤ナオミ 撮影/二木亜矢子
(BE-PAL 2025年9月号より)
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※一部地域では発売日が異なります。※電子版には特別付録が付きません。