
笑’sの主力プロダクトは、小さく持ち運んででっかく使える焚き火台と、いち早く耐熱ガラスを用いたポータブル薪ストーブの二本柱。
『BE-PALアワード2021』の「焚き火台オブザイヤー」に輝いた「B-GO-WING」は、広げることで長めの薪をそのままくべられると大いに話題になった。
今年4月にお披露目されるや否や、超話題となった「A-4-WING【超】(BEYOND)」(1万4960円)は「B-GO-WING」の広がる機構を搭載した一回り大きなモデル。
「B-GO-WING」だとちょっと小さいんだよな…と迷っていたファミリーもうれしい新作なのだが、じつは単純に大型化しただけではない。キットを使うことでもうひとつの柱である薪ストーブになるという進化形多機能焚き火台なのだから。「A-4-WING【超】(BEYOND)」のサンプルを借りて、火を入れてみた。
基本設計は「B-GO-WING」とほぼ同じ

「A-4-WING【超】(BEYOND)」は収納時のサイズが約292㎜×206㎜×30㎜。A4サイズの袋から取りだしたパーツは「B-GO-WING」を一回り大きくした構成となっている。

つまり、組み立て方も同じで、本体の脚とウイング部分を立てて、前後の板をはめ込み、ロストルを載せれば完成する。

ロストルが浮き、空気を効率よく取り入れるうえ、深めの箱型焚き火台はよく燃える。おまけにウイング部分は二重壁になっていて二次燃焼も期待でき、「A-4-WING【超】(BEYOND)」は燃え残りも驚くほど少ないのもウリのひとつとなっている。

ゴトクを使って調理しているときなんかは、手前の窓を開いて薪を追加したり、熾を散らしたりなんて操作が可能。このあたりは笑’sの十八番ともいうべき機能だ。

「A-4君」と見比べても、ロゴ(A-4君は笑’sロゴ、WINGは丸ロゴ)と脚のデザイン、両サイドのウイング機構がわかりにくい正面から見るとうり二つ。
「A-4君」のオプション(グリルプレートやハードロストルなど)をすべて使えるようになっているのがうれしい。
さて、スタンダードな箱型のときの「A-4-WING【超】(BEYOND)」使用サイズは360×206×H290mm。40cmほどの薪であれば問題ないが、45cmを超える太くて長めの薪だと倒れないか少々不安だ。

そんなときは片側または両側のウイングを広げて対応すればいい。これなら変な風に重心が片寄ることもなく安定する。

ただ側面を倒すだけじゃなく、下側を広げて本体に突っ張るので重めの薪でも安定するのもイイ。ウイング部分が二重壁なのはよく燃えること以外にも意味があるのだ。
キットを使って薪ストーブにトランスフォーム
ここからは「A-4-WING【超】(BEYOND)」だけのギミック。オプションのキットを使うことで薪ストーブに変身するのだ。

窓付きの板を、耐熱ガラス入りのパーツに変更し、両側のウイングを広げる。

片側に煙突を受けるパーツを差し込む。

天板、そして煙突との隙間を埋めるパーツを載せる。板上のロックを忘れずに。

2つの煙突パーツを広げて、ポッチと穴がかみ合うように組み合わせる。煙突は片手でようやく持てるくらいの幅なので、手が小さな人は指先で内側に押し込むのは骨が折れる。
けれども地面に置いて片側ずつ押し込むようにすると案外楽に組み合わせられた。

煙突を差し込めば薪ストーブの完成!

他の薪ストーブ同様、揺れ防止用の金具があり、ここに手持ちのロープなど燃えにくい素材のロープを通して地面に固定してから燃焼スタートだ。

今回は焚き火シートに載せたまま組み立てたが、脚の穴にペグをさして固定すればより安定する。薪ストーブにした状態では、サイドから薪を入れる部分でない限り火がついた薪は落ちにくいので、周囲に難燃シートを置くなど工夫すれば倒れにくさと火災予防を両立できそう。

実際に火を入れてみた。
完全な箱ではないので最初こそ隙間から煙りが漏れるが、本格的に燃焼がはじまると煙は収まっていく。

煙突上部に向かって炎が引き込まれる様子は紛れもなく薪ストーブ。「収納時はあんなに小さかったのに」と感動だ。
薪の種類や状態、そして燃焼時間にもよるが、窓ガラスも思ったより曇りづらい。
ロストルの下でピザを焼こうか、それとも天板にミニダッチオーブンを載せて煮込み料理を作ろうか。手前の窓ガラス付きの板はゴトクを固定する刻み入りだから、あえて焚き火台のときにも使ってみてもいいかも…そんな風に使い方を考えるのも楽しい。

ちなみに「A-4-WING【超】(BEYOND)」と薪スト化キット、煙突はすべてほぼ同じ奥行きにそろっている。重量はそこそこあってもパッキングに困らない。
豪快な焚き火も、ウイングを開いてじっくり焚き火料理に取り組むもよし。さらには薪ストーブとして暖をとるなどマルチに活躍する「A-4-WING【超】(BEYOND)」。
来シーズンこそ薪ストがほしい人、「B-GO-WING」購入をためらっていたファミリー、そろそろ買い換え時となった「A-4君」ユーザーは一度チェックしてみては。
【問】昭和プレス