2018.06.23

幼児とカエルとマッドフェスティバル

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日本のミライを明るくする! 園児野生化計画 vol.54

 雨の合間の暖かい日を狙って、年長さんと田んぼの周りへ生き物を探しに行きました。この日の田んぼのコンディションは最高で、用水路には清流が流れ、そして地面はドロドロのグチャグチャ。こんな日は汚れることを前提に遊ばないともったいない。

 先生も子どもも汚れても良い服装でフィールドに登場。もちろん園に帰った後の着替えや体洗いの準備も抜かりない。この段取りが先生と子どもだけでなく保護者の安心と覚悟が決まる儀式でもあるのだ。

        
ドロドロのフィールドは間違いなく楽しいフィールドだ

 水辺用の網を持った子ども達に生き物の捕まえ方を教えると、彼らはもう全身全霊でこのフィールドで遊び尽くす準備が出来ている目をしている。スタートの合図と共に、それぞれ狙った場所にかけだした。

 この遊びは少しの間我慢からはじまる。子ども達にとっては水を吸って重くて長い網を、しっかりと水の中の地面に設置してガサガガサできるようになるためのコツを掴むのに少し時間がかかるのだ。いつもだったら飽きてしまうこの10数分も、その先にある”ワクワク”が手助けをして集中の世界に入っていく。

 「とれたー!だれか入れ物ちょうだい!」
 「わーでっかいよこの子!」
 「たすけてー!だれかこれ持って!」

 あるタイミングから田んぼ中に子ども達の声がいくつも聞こえ始める。網の使い方だけではなく、どんなところに生き物がいるかがわかり始めてきた証拠だ。僕は子ども達に安全を確保するための情報以外は、ざっくりとしかテクニックを教えないことにしている。その方が子ども達の本当の能力が引き出されると信じているからだ。


コツを掴むまでは我慢の時間


生き物をどんどん捕獲する子ども達
捕まえた嬉しさと持つとちょっと怖い気持ちが入り交じった表情が好きだ


自分なりの技を体得した子ども達は大人も顔負けの捕獲能力を発揮しはじめる


「僕のカエルは座るんだよ」と大切そう(だけどちょっと乱暴)に持ったカエルを座らせて見せてくれた

 捕獲作戦も中盤に入ると、いよいよマッドフェスティバルが始まる。子ども達は生き物捕獲に夢中になるあまりドロの中に足を埋め、捕まえた生き物を早く入れ物に入れるべく走ってドロの中につまづいてダイブしはじめる。もうどっちが水生生物かわからない自体になってくるのだ。


「ヤバい!抜けない!」の叫び声に集まった仲間達
当然全員ドロドロになる…


活動の成果は子ども達の輝く笑顔とドロドロの靴下達

 この光景を優しい笑顔とちょっぴりいたずら心のある表情で見つめる先生達を見ると、僕はとても深い安心感を得られる。子どもが夢中になり、そしてそこから起きるハプニングを楽しめる先生がいれば間違いなく子ども達は自由にのびのびと成長してくれるはずだ。

 未来の地球を担っていってくれる子ども達を見ながら僕もドロドロになる幸せな時間でした。


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長谷部雅一

HIAC_0443a

アウトドアプロデューサー。
アウトドアイベントの企画・運営を手がける「Be-Nature School」スタッフ。人と自然をつなぐインタープリターとしても活躍中。
著作に『ネイチャーエデュケーション』1300円+税 みくに出版 他

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