名古屋で38年。時代にマッチしたアウトドアスタイルを提案する頼れるショップ

天白区植田にあるMOOSE本店の外観。ほかにランニング専門店「STRIDE LAB NAGOYA」(名東区)と「THE NORTH FACE SHOP 名古屋ファッションワン店」(名古屋駅)の計3店舗を展開する
心地よい空間に並ぶ厳選されたアウトドアグッズ
『MOOSE』は、愛知県名古屋市の東側、天白区にある開業38年を数える老舗アウトドアショップ。洒落たカフェやレストランが建ち並ぶ、閑静な高級住宅街を通る桜並木沿いに位置する。並木沿いにある店舗正面の入口には、店の名前でもあるMOOSE(ヘラジカ)の立派な角が飾られていた。クルマ社会の名古屋らしく、店の前に3台、裏手には6台の駐車場もある。
店に入ると、アパレル、バッグなど色鮮やかなアウトドア用品が目に飛び込む。圧倒的な品揃えだ。それでも、広々とした居心地のよさを感じさせるのは、天井の高さのせいだろうか? 贅沢な頭上の空間には、Old Townのカヌーや、Mossのテントなど、この店の歴史を物語る、懐かしいアウトドア用品が飾られていた。

エントランスから入ると店内はこんな感じ。贅沢な空間が広がる
経験豊富なスタッフがいるショップ
トレイルランニング、バイクパッキング、バックカントリースキーなどを趣味として楽しむショップスタッフの石田啓介さんが、店内を案内してくれた。

毎年秋に愛知県新城市で開催されるアウトドアイベント『HANGOUT TOKAI』の主催者でもあるスタッフの石田啓介さん。東海エリアでは有名なアウトドアマンだ。時間を見つけては、トレラン、バイクパッキングなどに繰り出している。手にしているのは、トレランはもちろん、軽いトレッキングにも快適に使えるアルトラのローンピーク4.5(税抜15000円)。
春から秋は登山とトレランに特化した品揃えを充実
「これからのシーズンは、登山とトレラン用品を中心にした商品が充実します。冬の間は、テレマークスキーやクロスカントリースキーを楽しむ道具も置いていますが、季節ごとに必要とされる道具を入れ替えています。キャンプ用品もありますが、登山を楽しむために必要な道具に絞っています。オートキャンプ用の道具ではなく、ウルトラライト(以下、ULと表記)な道具をセレクトしています」

壁面にずらりと並ぶトレラン用と登山用のザック
道具選びに迷ったら、日々フィールドに繰り出しているスタッフに聞け!
石田さんによれば、MOOSEのスタッフは、全員がアウトドア好き。早朝、開店前に近場の山へ出かけトレランを楽しんでから出社するスタッフも少なくないとか。自分たちが、実際にフィールドで使い、いいと思ったものを、しっかりと説明して販売する。それがMOOSEのスタイルだ。

キャンプ道具を背負って歩く本格的な登山用のシューズも充実。試し履きできるスロープもある
今、売れている商品を聞いてみた
「これ、ようやく入ってきたんです。よく売れていますよ」と石田さんが真っ先に見せてくれたのが、MSRのウインドバーナーパーソナルストーブシステム(税別26000円)だ。
悪天候下でも瞬時に温かい食事を準備できる
「専用のポットの下の部分がバーナーをすっぽりと覆う構造のため、熱効率が驚くほど高いです。だから風や寒さが厳しい悪天候下でも、瞬時にお湯を沸かせます。ガスの消費量も少なくて済みますから、小さなガスカートリッジひとつで2~3泊の食事は軽くまかなえます。荷物を減らしたい登山にはぴったりです」

MSRのウインドバーナーパーソナルストーブシステム。お湯を沸かすことに特化した最新のシステム。カートリッジまで統一されたスタイリッシュなデザインも人気の秘密

収納した状態。バーナーヘッド、脚、ガスカートリッジなどは、ポットの中に収納できる
軽くて持ち運びやすい大人気のアウトドアカッター
次に紹介してくれたのが、OLFA WORKSの替刃式フィールドノコギリ(税別2000円)と替刃式フィールドナイフ(税別1400円)。
「扱っている店は多いと思いますが、これもよく売れています。刃を収納できるので、安全に持ち運べて、しかも軽い。カッターで知られているOLFAの製品だけあり、切れ味も悪くありません。一般的なカッターは、作業中に置いたときに見つけやすいよう、視認性の高さを重視した黄色など目立つ色にしています。でも。このシリーズは、アースカラー。キャンプで使っても違和感がないところもうけています。バイクパッキングや、UL系のキャンプで便利に使えます」

切れ味に定評がある日本のカッターブランド=OLFAがリリースするアウトドア用のカッターシリーズ「OLFA WORKS」
軽さが違うチタン製のULグッズ
「UL系のアイテムでは、VARGOの製品をすすめています。このブランドは、元々はアメリカのチタン加工メーカーなんですが、気の利いたアウトドア用品を展開しています。2本セットになったチタン製のストロー(税別3000円)は、プラスチックごみを削減するうえ、箸として使ったり、ウッドストーブの上に間隔をおいておくことで、コッヘルを載せる五徳のように使うこともできます。しかも軽量です」

VARGOのチタン製ストロー。2本セットでケースと、内部を掃除するブラシも付属。ブラシは、ストローの中に入れて持ち運べる
ソロキャンで便利。ソロテーブルとしても使えるチタン製グリル
「VARGOでは、バイフィールドグリル(税別8800円)も便利です。元々はウッドストーブの上に置いて肉や野菜を焼くグリルとして作られたものですが、じつはソロテーブルとしても使えるんです。これもチタン製で、重量はたった125g。小さくたためるので、荷物を軽量コンパクトにしたい方には、ぴったりです」

VARGOのバイフィールドグリルをセットした状態。本来は、下にウッドストーブなどを入れ、グリル(調理用の網)として使うために作られた商品だが、ソロテーブルとしても使える

折りたたむと感な感じ。とにかく軽い。専用ケース付き
アメリカで評価される通気性に優れた日本ブランドのジャケット
説得力のある石田さんの説明を聞いていると、すべて欲しくなってしまう。一呼吸おくために、アパレルコーナーを案内してもらった。
「ティートンブロスは、日本のブランドなんですが、アメリカでもかなり人気が出ています。スキーウェアからスタートして、登山やトレラン用のウェアもリリースしています。ツルギジャケット(税抜46000円)は、フロントジッパーがナナメに入っています。登山やトレラン中に暑くなったとき、瞬時にジッパーを開いて風を流すベンチレーション効果を狙ったデザインです。ほかにも腕を動かしやすいカッティングだったり、ドローコードがザックと干渉しない位置にあったり、スタイリッシュさだけではなく、実用性の高さが魅力です」
アパレルブランドは、ほかにアークテリクス、パタゴニア、ゴアなども取り扱っている。

ファスナーの入れ方やシェルのデザインまで、快適性と動きやすさにこだわったツルギジャケット(左)。右は、スタンダードなフルジップのヤリジャケット(税抜38000円)
近隣のフィールドを知り尽くしたスタッフを頼りに
「MOOSEがある名古屋市東部からは、自動車で片道1時間も走れば、登山やトレランを気軽に楽しめる低山がけっこうあります。さらに2~3時間走れば、3000m級の本格的な山岳エリアにアクセスできます。この街に暮らしていて、アウトドアで遊ばないなんてもったいないです。市内には、山岳専門店はけっこうありますが、トレランやスキーなどほかの遊びも含めてトータルで提案できる店は、案外少ないかもしれません。お店にいらしたら道具選びや、フィールドのことなんかも気軽に聞いてください」
経験豊富なスタッフの説明をゆっくり聞いて、自分の用途に合ったものを選ぶ。長く快適に使う道具だからこそ、MOOSEのような店に頼るといい。

店の隅に飾られたムースをモチーフにしたぬいぐるみたち(非売品)。その下には、近隣のおすすめキャンプ場やイベントのパンフレットが置かれている。フィールド情報は、豊富な知識を持つショップスタッフに聞こう
【店舗情報】MOOSE植田本店
愛知県名古屋市天白区元植田2-1904
TEL:052-848-2780
営業時間:月曜~金曜12:00~21:00、土日祝11:00~20:00
定休日:火曜(祝祭日は営業)、第2、第4水曜
https://moose.co.jp/
※新型コロナウイルスの影響で、営業時間・休業日が変更になる場合がございます。電話、ホームページなどで確認してからお出かけください。
構成/山本修二