2023年から神戸市が展開している「神戸登山プロジェクト」は、六甲山をはじめとする近郊の山の魅力を発信し、登山をより楽しめる環境づくりを進める取り組みだ。登山の拠点や登山道・案内板の整備などが進むなか、同年8月に新たな拠点「MR BASE」が、標高約391mにある再度公園(ふたたびこうえん)内に開設された。
再度公園は神戸市中心部から車で約20分。トレッキングならば1時間半ほどで辿り着く。六甲山に張り巡らされた登山道のなかでも、六甲全山縦走路や大師道といったメインルートに接し、四季折々の自然を楽しめる場所として親しまれている。「MR BASE」は、年間を通じて多くのハイカーやトレイルランナーが行き交う同地で、六甲山の楽しみ方を発信する拠点として期待されている。
山へ踏み入れる第一歩を後押ししてくれる拠点
MR BASEがあるのは、再度公園の修法ヶ原池(しおがはらいけ)を望む池畔。建物はもともとボートハウスだっただけに、静かに水をたたえた水面が目の前に広がる。1階で営業しているカフェ「Re encounter」が受付になっている。
「ここを拠点にまずは軽めのハイキングから楽しんでもらいたい」と語るのは同施設を運営する永瀬さん。ランニング好きが高じてトレイルランニングを始め、約10年前に六甲山を舞台にしたトレラン大会の立ち上げなどに携わり、再度公園に足を運ぶようになった。その後、ここでカフェを開業するなどの縁もあり、今回MR BASEの運営を任されることに。
メレルのシューズをレンタルしてお手軽ハイキングへ
こちらの最大の売りはアメリカ発祥のアウトドアブランド『MERRELL(メレル)』のシューズレンタル。トレッキング用とトレラン用のシューズに加え、メレルの代名詞でもあるアフタースポーツシューズ “ジャングルモック”の3種類を、一日わずか300円で利用できる。
「地面が濡れている時はゴアテックス®を搭載したモアブ3がおすすめですが、トレッキングをする場合でもトレラン用のアジリティー ピーク5を履いて、その軽さとグリップ性を体験してみていただきたいです。また履き心地の良さで知られるジャングルモックは散歩におすすめです」と永瀬さん。
1階のRe encounterで販売しているコーヒー(300円)やスコーン(300円)とシューズレンタルをセットしたプランならさらにお得に利用できる。その場合の料金は、コーヒー&シューズレンタルセットが500円、コーヒースコーンセット&シューズレンタルが700円だ。周辺をハイキングした後に香り高いコーヒーと優しい味わいのスコーンでリラックスするのもいい。
登山気分から始める六甲山ハイキング
メレルのシューズを履いたら、せっかくなので周辺を散策したい。山の経験がほとんどないという初心者におすすめのコースが再度公園の散策。アップダウンはほとんどなく、体力に自信がなくてもハイキング気分を十分に味わえる。森の中へと進めばツリーデッキやネットを張った遊具もあり、親子でも楽しめる。
ちょっとした山登りやトレランに挑戦してみたい人には、MR BASEから約30分で登れる再度山(標高470m)、少し足をのばして約1時間の鍋蓋山(標高486m)を目指すのがおすすめ。どちらも山頂から神戸市街が一望できる眺めの良さが自慢の山だ。
「暑い季節に市街地から登ってくると体力を消耗します。再度公園までクルマで登って、比較的涼しい環境から登り始めるのがおすすめですよ」と永瀬さんは、ここならではの地の利を生かした登山スタイルを提案する。
ほかにもメレルの新モデルを試し履きできるノルディックウォークやトレランなどのイベントやツアーも実施しているので、最新情報はホームページをチェックしていただきたい。
また10月には同施設1階にハワイアンステーキをメインにしたレストランの開業。さらに周辺の散策マップの作成、先日新神戸駅構内にオープンした登山拠点「トレコ」との連携など、ハードとソフト両面から充実させていく予定。まだ動き出したばかりのMR BASEだけに今後の展開に注目したい。
MR BASE
住所/神戸市北区山田町下谷上 TEL/078-272-2510
営業時間/10:00〜16:00 定休日/月、金
URL https://routefutatabi.com/