燃焼器具のスペシャリストSOTOから、「天空の神」という意味を持つ「ホルス」と命名されたテントシェルターが誕生。その特徴を徹底紹介する!
ホルス ソロT/Cの概要とは
重量9.3kgで持ち運びも快適
本体、ポールなどすべてが余裕で入る収納袋が付属。手ごろなサイズでハンドルが長く、クルマへの積み降ろしも楽々。
本体は2ピース
ポールは3本付属
本体、陣幕、ポール3本、スチールペグ14本、ガイロープ10本がセット。ペグ用とポール用の収納袋も付属する。
こだわりポイント1 オリジナルの自在金具
ホルスのために新たに設計された自在金具。要望があれば単体発売もあるかも!?
こだわりポイント2 ファスナーをちょいずらし
ファスナーをセンターから少しずらことで開閉をしやすくし、ポールと当たる音も解消。
ちょっと贅沢なソロキャンに最適だ!
昨年11月に発表され、この4月に発売されたSOTO初のテントシェルター『ホルス ソロT/C』。ルーフを開いたり、陣幕を着脱したりできる。そんな噂の真相を確かめるため、開発者の日置栄一さんを訪ね、開発秘話と立て方を聞いた。
――ホルスは、どんなテーマで開発されたのでしょうか?
日置さん(以下、日) 新富士バーナーが新たに布物を作るにあたり、中で燃焼器具を使えるようにしたかったんです。そのためにしっかりと換気ができる張り方や、ベンチレーターのサイズなどを考え、テストをしながら作りました。
――テントの中で火器を使えるのですか?
日 条件付きです。ルーフトップのベンチレーターは、かなり大きな開口部にしました。といってもワンポールで張って全部を閉めてしまうと危険です。陣幕を接続して空間を広くし、天幕とベンチレーターを開き、SOTOのガス器具を使った場合に限り、その下で煮炊きができます。
――一番押しとなる特徴は?
日:ルーフ部分を大きく開いて空を見上げられることです。開放感と、プライバシー重視の囲われ感をホルスひとつで使い分けられます。
――ソロ用にしては大きくないですか?
日:サイズ感をわかりやすくするため「ソロ」と名付けましたが、ソロならかなり贅沢に、デュオでも十分快適に使えます。
――たとえるなら、どんなユーザーを想定したのですか?
日:ファミキャンを卒業したお父さんが、ちょっと贅沢なソロキャンを楽しみ、たまに子供や奥さんと屋外でランチをするときにも使える。丁度、僕みたいな層に向けて作りました(笑)。
――では、多彩な張り方を教えてください!
張り方の基本
外周をペグダウン
シェルター本体を地面に広げて、外周の角6か所にあるベルトをペグダウンする。
↓
ベンチレーターを開く
本体を張ってしまうとベンチレーターが開けにくいので、先に開いておくのがコツ。
↓
ポールを入れる
入口を開き、長いポールを本体の中に入れて立ち上げる。テンションを調整すればOK。
※写真は試作品のため実際の仕様とは一部異なります。
用途に合わせて自由に張れる! これがホルスの6変化
1 ワンポールシェルターでソロキャン
ミニ2ルーム張り
シェルター本体をワンポールで立ち上げた基本形。本体には中幕があり、2ルームに仕切れる。シェルターは前後ともに開閉できるので便利。
出入口を閉めた就寝モード。外周にスカートが付いているので雨風の浸入も防げる。
2 前室を立ち上げ居住空間をプラス
サイトを一望できる
快適リビング張り
本体のサイドを広げ、サブポール2本を使ってキャノピーを張り出した状態。雨や紫外線から守られた心地よい居住スペースを作り出せる。
トランスフォームする最大の秘密は本体サイドの伸縮機能にあり
キャノピーの開閉部分には、止水ファスナーを使い、そのファスナーを隠すために面ファスナーが付けてある。
本体の両サイドのファスナーを開くと、六角形から八角形にトランスフォームし、約70㎝も延伸できる。
3 ワンポールテントの前に陣幕をセット
焚き火は安全第一で
焚き火満喫張り
焚き火+ソロキャンスタイルの完成。本体に床はないので、コットを組み合わせると快適だ。
付属の陣幕は、単体で好きな位置に張れる。本体と十分な間隔を取って焚き火を楽しもう。
4 フルクローズでプライバシー重視
盗難防止にも
フルクローズ張り
本体のサイドを伸ばし、2本のポールを使って陣幕をセット。完全にクローズできるので、就寝時や外出時でもセキュリティを確保。
5 ルーフをガバッと開いて空を見上げよう
屋根がガバッと開く
天空開放張り
これぞホルスの真骨頂。④の状態から、前幕とルーフを開いた状態がこれ。「空を見上げて、天体観測を楽しんでください!」と日置さん。
張り出した本体のルーフは、ファスナーで大きく開閉できる。換気効果の向上にも貢献。
シェルターの中から空を見上げた状態。囲われ感と、開放感を同時に楽しめる。
試したい! 応用スタイル
6 ポール2本追加でマックス空間が出現!
マックス天空張り
接続した陣幕のファスナーを開き、市販のポール2本を追加し、キャノピーをさらに前に張り出した状態。デュオでも快適な広々スペースを確保。しかも天幕を開けられる。
SOTO/ホルス ソロT/C
¥99,000
●セット内容:本体、陣幕、メインポール(1本)、サブポール(2本)、ペグ(14本)、ガイロープ(1.5m×4本、2.5m×6本)
●付属品:本体収納袋、ポール収納袋、ペグ収納袋
●本体素材:T/C(撥水加工)
●素材:アルミニウム(ポール)、スチール(ペグ)
●最大設営サイズ:幅300×高さ160×奥行き320㎝
●収納サイズ幅:幅70×高さ30×奥行き30㎝
●重量:9.3㎏
問い合わせ先:新富士バーナー 0533(75)5000
※構成/山本修二 撮影/花岡 凌
(BE-PAL 2023年5月号より)