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脚力と頭脳を鍛えるゲーム「Ingress」 史上最大のイベント「DARSANA TOKYO」にアウトドア派も乗り込んだ!

2015.07.17

グーグルの社内スタートアップ、ナイアンティック・ラボが提供しているスマートフォン対応オンラインゲーム「Ingress」(以下、イングレス)は、2012年から運用が始まっていたが、2014年7月にiO版がリリースされると、日本でも一気に人気の火が付いた。

イングレスは簡単に言えばスマホを持ったプレイヤーが、青がシンボルカラーの「レジスタンス」と緑がシンボルカラーの「エンライテンド」のふたつに分かれて、現実の街を舞台に行う陣取りゲームだ。このゲームが画期的なところは、スマホの位置情報提供機能を使い、ゲーム内の仮想空間を現実の世界とリンクさせていることだ。
取り合う陣地となる「ポータル」は、名所旧跡などにひも付けされて、ゲームの仮想空間に置かれている。例えば、神社や寺の建物、橋の欄干、街角にあるオブジェ、店の看板などがポータルとして登録されている。「エージェント」と自らが称するプレイヤーは、そのポータルとなっている名所旧跡まで、リアルに歩くか、自転車でたどりつけなければ、経験値や得点を稼ぐことができない。

「歩かないとプレイできない」
と聞いた筆者は、”これは登山のためのトレーニングとして使えるのではないか”と軽い気持ちでインストールした。最初は、ウォーキングやジョギングの励みになればぐらいではじめたが、仕事の合間や買い物のついでに、10分、20分。少しでも暇があれば歩いて、ポータルを探すよう心がけたら、運動量がアップして、ダイエットもせずに4キロ痩せたのには驚いた。
このゲームの特徴である、
“移動しなければ、レベルアップできない”
“頭を使って動かねば、得点を稼げない”
“ひとりでも楽しんで遊べる”
という辺りは、登山のおもしろさと通じるところもあるのだろう。
エージェント活動する時のスタイルも、登山の経験を生かせた。スマホが操作しやすいようにコンパクトなザックに荷物をまとめて背負い、厚めの靴下をはいて靴ずれを防ぎ、雨の日には登山用のレインウエアも活用した。スマホに現れるイングレスの地図を読みつつ、次のポータル、次のポータルへと最短距離で動くのも、地図の読み方を習う、いい機会になっていると思った。

 

 

イングレスのためになにか購入することを、エージェントたちは「リアル課金」と呼ぶが、私の最初のリアル課金は、はきつぶした靴の代わりにと考えた丈夫なウォーキングシューズ。その次は、スマホの操作ができる手袋。さらに充電池……レベルがアップするに従い、リアル課金は増え、さらにエージェントとしての活動にのめりこみ、
「12月に公式イベント「Darsana」(以下、ダルサナ)が東京で開催される」
という情報を耳にした際は、Google+のコミュニティに登録して、同じ緑のエージェントたちとチームを組み、イベントに参加することにした。実家に子どもを預けてまでもだ。

12月13日(土)、「ダルサナ」の開催日は、朝早くから受付となった日比谷野外音楽堂をとりまくように長蛇の列ができていた。私は寒さに震えつつ、感動にひたっていた。
“スマホのゲームに、こんなにいい大人たちが、こんなに集まるなんて……”
参加者は、関東一円にとどまらず、大阪や九州、はたまた、台湾や米国など世界中から集まっていた。
その数は、約5000人。
今まで世界各地で行われた公式イベントの参加者は数百人程度と聞けば、その規模の違いがおわかりいただけるだろうか。まさに青と緑、史上最大の決戦が東京で行われるのだ。

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日比谷に集まった人々。青が若干優勢か?

「ダルサナ」は東京の3地区内の指定された複数のポータルを10分間の間に奪い合い、どちらが多く確保したか、どれだけの地域を支配できたかを4回戦で争う。
勝利判定のための計測は、10分の間のどこか一瞬を切り取って行われる。その一瞬だけでもポータルと支配地域を確保できていれば、勝てるというもの。
私が属している緑側は、数的に不利と言われていた。日比谷野音の観客席を見ても、約3分の2を青が占め、残りが緑という有様。
“どこかで一矢報いられれば……4回のうち1回でも勝ちたいなぁ”
という淡い期待を抱きつつ、私は、担当の麻布十番地区へ移動した。

 

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チームで作戦会議中

昼過ぎに着いた麻布十番の街角には、あちこちに人だまりができていた。明らかに通行人と違う彼らは、立ち止まって、スマホの画面を真剣にのぞいているエージェントたちだ。  
ここでは、防寒対策として、アウトドア用のコートやネックウォーマーなどが大活躍していた。この時期、下着から上着まで、アウトドア仕様の防寒具でないと、戦う気力もそがれてしまう。また、スマホが操作しやすいフィンガーレスの手袋は必需品だが、使い勝手がいいものが少ないと、既製品の5本指手袋の人差し指の先だけ切って使っているエージェントもいた。

第1回目の計測時間は、午後2時から。私は、担当のポータルのそばに立ち、計測開始の合図を待った。
「計測開始です」
合図が来て、第1回目の計測時間がはじまると、そこからは指でスマホの画面を叩き続けるだけ。普段は考えられないようなハイペースで攻撃が来て、一兵卒としては、ひたすら自分の担当ポータルを守るのが精いっぱいで、他の事は考えられなかった。

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街角の様子。

 

 

勝利の実感がないまま第1回目が終了すると、チームで集まり次の計測が行なわれるポータルの近くへ移動。その途中で結果が大会本部から発表された。
「第1回目は、緑の勝利!」
チームメイトが結果を読み上げると、歓声が上がる。高揚した気分のまま、プレイを続け、第4回目の計測が終わったのは、とっぷりと日が暮れた午後5時10分だった。日比谷野音から7時間、かじかんだ指先と足に疲れは残ったが、充実感でいっぱいだった。

結果は、緑のエンライテンドが、4回戦のうち3回を勝って、勝利!
実は第1回目開始直後に、緑側が襟裳岬から、中国の青島、グアムを結んだ巨大な三角形を作り、東京のみならず本州全体を覆い尽くしてしまった。筆者のスマホの画面も一瞬のうちに緑に染まり、なにが起きたかわからなかったのだが、その時点で緑側の数的不利がほぼ打ち消されてしまったのだ。数だけでは勝てない、作戦こそが勝利の肝というイングレスの恐ろしさを、日本中のエージェントたちは思い知ったわけだ。

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日本がすっぽり緑に覆われている。北海道在住の青エージェントが
襟裳岬までダッシュで破壊しに行ったものの、達成できたのはイベント終了間際だった。

しかし、イングレスの産みの親・ジョン・ハンケ氏いわく、イングレスの醍醐味は戦いだけではない。「ダルサナ」開始前のスピーチでも、「今日は東京の街の美しいものに気付いてください」と「周りのエージェントの笑顔に気付いてください」と彼は語っていた。

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ジョン・ハンケ氏。アフターパーティー会場にて。

 

 

アフターパーティーは、ライゾマティックスの真鍋大度氏(自身もエージェントだそう)が、Ingressの効果音や音声、画像を取り込んだDJ・VJパフォーマンスを披露。隣の会場ではIngress関連の物販スペースも。エンライテンドとレジスタンスのロゴをモチーフにしたグッズやTシャツなどが販売されていた。

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真鍋大度氏(右)、黒瀧節也氏(左)。スクリーンにはIngressと現実世界が写し出される。

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レジスタンスのDARSANA手ぬぐい。

参加してしみじみ思ったのは、イングレスはひとりでも楽しめるが、コミュニケーションをとって大勢でプレイすると、さらにエキサイティングな体験ができるということだ。
たかがゲームにも関わらず、世界各地のエージェントと連絡をとり近隣各国も巻き込むような、地球規模の作戦が展開されるのは、「人々が協力することでおもしろさが倍増していく」というこのゲームの魅力ゆえだろう。
今回のイベントで私が最も感動したのは、最後の計測が終わり、チームで再度集まった時、なんとチームが40人以上に膨れ上がっていたことだった。
「ひとりですか? いっしょに行きましょうよ!」
エージェントたちに声をかけているうちに、最初の10数人からこんな大所帯になっていたのだった。

私がいたチームは、年齢も、職業も、住む地域も違う、初対面の人ばかりだったが、イングレスのことを語り出すと話のネタは尽きず、とても和やかなムードで共闘することができた。青も、緑も、他のエージェントたちも、チームカラーのグッズや衣装を身にまとい、グッズをチームでそろえるなど、お祭り気分で盛り上がっていた。

次の公式イベントは、日本では、既に「京都」で3月28日に開催されることが決まっているという。次の戦いに備え、さらなるレベルアップのため、そろそろ長距離移動用にロードバイクを、私はリアル課金しそうだw もちろん、イングレスは、イベントに参加しなくても、ポータルをコツコツとめぐり歩くだけでも充分楽しめる。無理なく体力アップもでき、日々のトレーニングを助けるアプリとしてもおすすめできる。迷うなら、とりあえず、はじめてみてはいかがだろうか。日常生活の延長で、今までにない体験ができるかもしれない。

文/北沢かえる

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