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    2021.12.06

    その名もメカジキデニム!廃棄されていたメカジキの角から生まれたSDGsな服

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    及川洋さん:宮城県気仙沼市の「オイカワデニム」の3代目社長。2005年に自社ブランド『STUDIO ZERO』を立ち上げる。2015年、廃棄されていたメカジキの角(吻)を使用したジーンズを開発し、反響を呼ぶ。

    メカジキから生まれたデニムです

    メカジキデニムが生まれたのは、メカジキの水揚げ量日本一を誇る宮城県気仙沼市。きっかけは東日本大震災だった。経緯を製造元、「オイカワデニム」の及川洋さんにうかがった。

    「震災後の避難所生活で、それまで、つながりがなかった漁師さんたちといろんな話をするようになって……。そのとき、メカジキの角(吻)は切断して廃棄することを知ったんです。命懸けで獲った命を無駄にしていいのかと、疑問がわきました」

    現金があってもガソリン1ℓも入れられない、水1本買えない。空しくなり、お金に対する考え方が変わった時期だった。

    「物資不足の避難所生活を経験し、周りに使える素材があることに気づかされました。また、今後は利益を未来に投資し、可能性を若い世代に見せたい、地域に貢献したい、そんな考え方にシフトしていったんです」

    そこで浮かんだのが、メカジキの角をジーンズにアップサイクルするアイデアだった。

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    「じつは、世界では綿が不足してきていて、2040年には世界の人口の3分の1が綿の衣類を着られなくなるといわれています。メカジキの角をジーンズの素材に使用したのは、そんな事情もあったんです」

    製品化にあたり、日本中の紡績会社に出向き、営業をかけた。

    「防臭効果があるとか、ハッタリをいったりして(笑)。でも実際、防臭効果が高く、保湿力が高いこともわかったんです」

    こうして2015年、生地に35%ほどメカジキの角を採用したデニムが誕生した。

    「廃棄物の活用は、海、陸、山の3部作で考えていて、いまは陸シリーズに取り組んでいます」

    SDGsの目標のひとつ、「つくる責任」を果たして生まれたメカジキデニム。受け取る私たちは「つかう責任」を感じながら、長く愛用していきたい。

    これがメカジキの角(吻)だ!

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    先端の茶色っぽい部分は糸の材料に。半分から上の茶色っぽい部分は細かく砕いて、繊維に織り込んでいる。

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    頑丈な根元部分。微量なたんぱく質が含まれていて、繊維に織り込むと魚臭がするそうだ。

    根元に近い部分は焼いて炭にし、染料として利用する。独特のブルーグレイは炭の色だ。

    メカジキデニムの商品ラインナップ

    オイカワデニム/OP-01 
    ¥25,300

    ストレートボタンフライモデル。ほかにスリムなタイプもある。はき込むと美しいブルーグレイに変化。

    メカジキの廃棄されていた角(吻)を砕き、独自の技術でオーガニックコットンと合わせて紡績して生地に。環境に優しいエシカルなデニムだ。

    はき込むと、デニムの色がブルーグレイに変化する。

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    すべてが土に還るよう金属類は一切使用していない。ボタンはプラスチックではなく、エクアドル産のヤシの実から作られたものだ。

    SHIRO…0819/SH-03M 
    ¥8,000

    ポケットの淵に古い大漁旗を再利用。本体サイズ横52×縦33×奥行13cm。

    裏地が付いた丈夫なトートバッグ。大容量で肩から下げられるので、買い物にも便利。

    オイカワデニム 

    http://www.zerodenim.com/

     

    ※構成/松村由美子 撮影/小倉雄一郎(オイカワデニム)

    (BE-PAL 2021年6月号より)

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