アウトドアの楽しみが広がる車中泊。達人たちの車中泊テクとギアを大公開します。
アウトドアフェスなどを中心にDJを行なう「野外選曲家」の河合桂馬さん&ヨガインストラクターとして活躍する奥様の千穂さん。河合夫妻は生粋のバンライファー。季節を問わず車で寝泊まりする快適車中泊術を見せてもらいました!
河合さんの愛車
トヨタ/ハイエース(100系)

’89年から’04年まで販売された4代目(100系)ハイエース。河合さんの愛車は’02年式の標準ボディー、標準ルーフモデルがベースだ。エンジンは2000㏄のガソリン仕様。
「昨夏から、自宅の一戸建ては知人に貸し大きな家財道具は実家に授けて、車を家代わりにしています」
そう語るのは国内外の様々なフェスやパーティーで活躍するフリーDJの河合桂馬さん。ほぼ毎週末、全国各地に出張していることから、このライフスタイルにシフトしたという。
「このハイエースは4年前に知人からタダで譲ってもらったものです。当時は今ほどバンライフというカルチャーが一般化していなかったのですが、インスタグラムで海外のバンライファーを参考にDIYしました」
車中泊を重ねるごとに持ち物や配置が洗練されたという。
「不要なものを削ぎ落として豊かに暮らす、というのがバンライフの美学だと思うので、カーミットチェアやル・クルーゼの鋳物ホーローウェア、リモワのスーツケース等々、これぞというギアを厳選して使っています。また、荷物はなるべくベッド下へスマートに収納できるよう工夫しています。車内が整然としていれば、車中泊をライフスタイルとして“あえて”楽しんでいるように見えると思うので(笑)」
夏に車中泊する際の対策や工夫についても聞いてみた。
「標高の高いところで寝るのが一番ですが、いつもというわけにはいかないですよね。このハイエースに限っていえば、内壁に断熱材(ロックウール)と木材を貼ったことで夏でも快適に過ごせるようになりました。サイドウインドウも塞いでしまったので日差しによる車内温度の上昇も抑えられています。防虫ネットをかけて窓を開けて寝る方法もありますが、キャンプ場以外では防犯が心配なので僕はほとんどやらないですね。寝苦しいときはサブバッテリーでサーキュレーターを動かしたまま寝るようにしています」
外気に左右されない快適空間

イレクターパイプと合板を使って自作したベッド。ベッド下にはクーラーボックスやレコードバッグがぴったり収まるよう設計した。

長期間の車中泊には開放感のある布団が一番と河合さん。内壁にロックウールを詰めて杉板を貼ったことで断熱性が大きく向上。外気の影響を受けにくく、夏も涼しく過ごせる。
シュラフではなく、真っ白なリネンのシーツにくるまれた布団で寝るのも河合さん流の車中泊術。寝心地が良く、ウッディな内装と相まって目にも涼しげ。これも海外のバンライフを参考にしたものだとか。
「あと車中泊のときはヨガがリフレッシュできておすすめです。じつは海外のバンライファーもヨガをやる人が多いんです。無駄なものを削ぎ落とすという点で親和性があるんでしょうね」
河合さん流!車で暮らすための工夫あれこれ

セカンドシートを外し、2名定員に構造変更した。

LEDライトを壁に埋め込んで間接照明にしている。

就寝時は「趣味職人」の断熱材入りシェードを使用。

容量80Ahのサブバッテリーを搭載。走行充電だ。

食事は電子ジャーとイワタニのマーベラスで調理。イグルーのクーラーボックスは鍋や食器、カトラリーの収納としても使っている
河合家の快適車中泊3か条
- 内装に木材を貼って断熱性を向上
- 無駄なものを削ぎ落としシンプルに
- 長く気持ち良く使えるギアだけ持つ
※構成/佐藤旅宇 撮影/三浦孝明 イラスト/近常奈央
(BE-PAL2019年8月号より)