
カブトムシは街中の公園でも見つかることがあり、集まる木さえわかってしまえば、身近で採取できるのです。
本記事では、カブトムシが集まる木の特徴と見分け方、そして捕まえるための道具や手順についてわかりやすくお伝えします。
記事を参考にして、この夏はカブトムシをゲットしてください!
カブトムシが集まる木がある!
カブトムシは、クヌギやコナラなどの木を特に好んで集まります。これらの木には、カブトムシだけでなくクワガタやスズメバチも集まり、樹液をめぐって毎晩攻防戦が繰り広げられています。
カブトムシ採集は、どの木に集まりやすいかを知っていれば、成功の可能性が大きく高まります。身近な自然の中にもチャンスが潜んでいるので、ぜひ夏の楽しみのひとつとしてチャレンジしてみてください。
カブトムシが集まる木3選
クヌギ
カブトムシが集まる木の代表格。幹に傷がつくと豊富な樹液を出し、その甘い香りに誘われてカブトムシやクワガタが集まります。クヌギは成長が早く、日当たりのよい環境を好むため、林や雑木林などに多く見られるのも特徴です。
幹の表面はゴツゴツとしており、縦に深い割れ目が入っているため、昆虫が止まりやすいというメリットもあります。自然と樹液がしみ出しやすく、昆虫たちにとっては格好のエサ場となっているのです。
コナラ
クヌギと並んでカブトムシに人気なのがコナラの木。コナラも幹に傷がつくと樹液が出やすく、昆虫にとっては貴重な栄養源となります。幹の高さや太さが適度で、枝葉の張り方も開放的なため、カブトムシにとってアクセスしやすい環境が整っています。
また、コナラは日本全国の雑木林に広く分布しています。葉が細長くて先端がとがっているのが特徴で、秋になると黄色く紅葉し、美しい林をつくることでも知られています。
ハルニレ
やや湿った環境に自生するハルニレも、樹液を出す木として知られています。特に河川敷や沢沿いなどに多く自生しており、そこではカブトムシのほかクワガタやカナブン・チョウなど多様な昆虫が観察できます。
ハルニレの木は大きく育つ傾向があり、樹高は20〜30メートルにも達することがあります。幹の表面は他の樹種に比べて比較的なめらかで、直径が大きく成長するのも特徴です。幹の広い面からじわじわと染み出す樹液が、昆虫たちを引き寄せます。
自然が豊かな場所だけでなく、都市部でも街路樹や公園の植樹として利用されていることもあります。身近な場所でも注意して探してみましょう。
クヌギとコナラの見分け方
一見似ているクヌギとコナラですが、いくつかの違いを知っておくことで、現地でも見分けがつきやすくなります。
まず、葉の形状に注目しましょう。クヌギの葉は全体的に丸みがあり、縁には波状のギザギザが見られます。一方、コナラの葉は細長く先端がとがっており、縁のギザギザも鋭めです。
クヌギ

コナラ
また、幹の様子も大きなヒントになります。クヌギの幹はゴツゴツしていて、樹皮に深い縦割れがあります。コナラの幹はややなめらかで、割れ目が浅く全体的にスマートな印象です。
クヌギ

コナラ
さらに、木の根元に落ちているどんぐりの形状でも見分けが可能です。丸くて大きめなのがクヌギ、やや細長いのがコナラのどんぐりです。
加えて、どんぐりの「帽子」にあたる殻斗(かくと)部分にも違いがあります。クヌギは殻斗にトゲのような突起が密集しており、全体的にゴツゴツした印象。一方、コナラは殻斗が滑らかで、うろこのような模様が均等に並んでいるのが特徴です。
カブトムシを獲る上で必要な道具

軍手
カブトムシ採集では、手を守るために軍手が必須です。木の幹に触れたり、枝に登ってカブトムシを採る場面や、ハチやその他の害虫に遭遇した際に、しっかりと手が守れるからです。
また、カブトムシの足には鋭いトゲがあります。しがみつかれると痛いのですが、軍手をしておけばガードできます。滑り止め付きの作業用軍手であればなおよし。表面がつるつるとしたカブトムシをうまくつかめます。
LEDライト
夜行性のカブトムシをゲットするために、LEDライトは必須アイテム。特におすすめなのが、両手が空くヘッドライトです。明るさを調整できるものなら、虫を驚かせずに接近できます。
虫あみ
高い位置にいるカブトムシを捕まえるためには、柄の長い虫あみが便利です。目安として、2メートル前後の伸縮式のものを選ぶと、高所にも対応できます。
虫かご
捕まえたカブトムシを安全に持ち帰るためには、通気性に優れた虫かごが欠かせません。蓋がしっかり閉まるものを選び、内部には土や木の枝、樹皮などを敷いて、自然に近い環境を再現しましょう。
これにより、カブトムシがストレスを感じにくくなり、持ち帰ってからも元気な姿を保ちやすくなります。移動時に揺れても滑らないよう、ケースの底に滑り止めシートを入れておくとより安心です。
長袖・長ズボンなどの衣類
夜間の雑木林や草むらでは、肌の露出を減らすために、長袖・長ズボンの着用が基本です。蚊やダニなどの虫から体を守れるからです。
また、枝や草に触れた際のかぶれや傷を防ぐ意味でも有効です。生地は通気性がありつつも、なるべく丈夫な素材を選ぶのがポイントです。
さらに、服の色にも注意が必要です。黒い服は蜂、とくにスズメバチを引き寄せやすいため避けて、白や明るい色の服装を心がけましょう。
蚊取り線香・虫よけスプレー
夜の林や雑木林では蚊などの害虫も多く、快適に採集するためには虫よけ対策が欠かせません。蚊取り線香を足元で焚いておけば、周囲に虫が近づきにくくなります。
また、虫よけスプレーもあわせて使用すると効果的です。長袖・長ズボンを着用したうえで、露出部分にしっかりスプレーをしておけば、安心して探索に集中できます。
カブトムシを捕まえるための手順
樹液を探す
カブトムシが集まる木を見つけたら、次に見るべきなのは、幹に傷があるところや黒っぽい樹液が出ている部分です。
樹液が豊富に染み出ている木の近くに行くと、甘酸っぱい香りがするはずです。集まったカナブンやカブトムシが出す「ブーン」という音が聞こえることもあります。樹液が染み出して、虫が集まっている部分は、目だけではなく、五感を駆使して探してみましょう。
活動タイムに採取しに行く
カブトムシは基本的に夜行性のため、活発になるのは、日没後から日が昇るまでの時間帯です。この時間を狙って林や雑木林に足を運ぶと、高確率で出会えるでしょう。
夜間の採集は足元が見えにくくなるため、懐中電灯やヘッドライトで照らしながら、静かに木に近づくのがポイントです。音や光を急に当てると逃げられることがあるので注意しましょう。
ただし、ときには夜が明けても、木に止まって樹液をなめているカブトムシが見つかることもあります。日中でも木を揺らすと下に落ちてくることもあります。夜行性ですが、夜以外でも採集できる点は頭に入れておきましょう。
親指と人指し指でつまむように捕まえる
カブトムシを見つけたら、傷つけないように甲羅の中央を親指と人指し指でしっかりとつまんで持ち上げます。脚の力が強く、枝にしがみついていることが多いため、無理に引き離さず軽く左右に揺らしながら外すとスムーズです。
ただし、オスとメスで掴むべき場所が少し異なります。
オスは胸の角の少し後ろあたりを、指の腹で優しくつまみましょう。嫌がって暴れることがあるため、優しく、かつしっかりと保持することが大切です。
メスの場合は、上翅(じょうし)と呼ばれる背中のかたい羽の、根本に近い中央あたりを指の腹でそっとつまみます。上翅は硬いですが、力を入れすぎると割れてしまう可能性があるため、力加減に注意しましょう。
また、カブトムシが驚いて木から落ちてくることもあるため、すぐに使えるよう虫あみを手元に用意ししておけば、逃げられる前に確実に捕まえられます。採取後は、すぐに昆虫ケースに入れフタをしっかり閉めましょう。
カブトムシの集まる木を探そう!憧れのカブトムシをゲット!
カブトムシ採集は、自然とふれあう貴重な体験です。今回紹介した木を目印に、子どもと一緒に夏の夜の冒険に出かけてみましょう。道具や手順をしっかり押さえておけば、初心者でも十分にカブトムシ採集を楽しめます。安全に配慮しながら、親子でぜひ憧れのカブトムシをゲットしてください。
なお、クヌギやコナラなどの木は里山や雑木林に限らず、街中の公園や緑地帯にも植えられています。意外と身近な場所で出会えるケースもあるので、ぜひ普段のお散歩コースでも目を凝らして探してみてください。