キャンプ場でいざ焚き火! 初めてでも安心「火おこしの基本のき」 | 焚き火のコツ 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2022.06.02

    キャンプ場でいざ焚き火! 初めてでも安心「火おこしの基本のき」

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    焚き火はキャンプの醍醐味。とはいえ、失敗もつきもの……。薪の特徴や燃焼のメカニズムなどを知り、焚き火を極めるための基礎知識とテクニックを身につけよう!

    焚き火に必要なのは「燃料」「酸素」「熱」

    樹木のツリーケアから使われていない木材の活用、依頼に応じてブッシュクラフトスクールも開講するなど、まさに樹木管理のプロである小池コータローさんは、焚き火の基本について、こう語る。

    「木こりの先輩は、じつに簡単そうに火を焚くんですよ。生活の術そのものだからでしょうね。でもたまに、火おこしがうまくいかないときは“いじりすぎた”ってボヤいてます」

    何回山で焚き火をしても、失敗はつきものということか。

    「焚き火に必要なのは、乾いた燃料と酸素の供給、そして熱があること。この3つが揃えば、少しのコツで火はおこせます」

    初心者の場合、まずキャンプ場で薪を使った焚き火からはじめよう。キャンプ場の薪なら乾いているのですぐ挑戦できる。

    「できれば、燃やしはじめ用に火つきの良い針葉樹。調理や観賞用に火持ちの良い広葉樹の2種類があるといいですね」

    ただし、いきなり太い薪に火がつくと思ったら大間違い。スムーズに火をおこすには、大・中・小の薪を準備しておくことが大切だ。着火時は、火がついてもあまりいじらないこと。火は空気の通り道を伝い、自然に広がっていくからだ。注意点は、強風の際は火の粉が飛ぶ恐れがあるので、大きな岩陰などがなければ焚き火をやめておこう。

    「最近はいろんな焚き火台があるので、自分のスタイルに合う一台を選ぶと、焚き火の時間がより充実します。僕は自由に薪が組める丸型が気に入ってます。高さが低いほうが足元から暖まれるし、直火気分を楽しめます」

    Step1
    焚き火に必要な道具

    大きさ違いの薪を作るナイフ

    薪割りには小型の手斧をメインに使用。取り回ししやすいので初心者でも扱いやすい。ほかに、小割りにするためのナイフや、長すぎる薪を切るときにノコギリがあるといい。

    火をおこすためのアイテム

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    マッチやライター、底が深い焚き火台にはチャッカマンなど、火がつくものならなんでもOK。まずは簡単に着火できるもので火に慣れよう。

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    着火剤なら確実。右から小分けにできる固形型、マッチと着火剤が一緒になったマッチ型、固形燃料もOK、一般的なジェルタイプ。

    Step2
    薪の下準備

    針葉樹と広葉樹を用意

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    密度が高く、火がつきにくいが火持ちが良い広葉樹をメインに、着火時や温度が下がってきたとき用に燃えやすい針葉樹を用意。

    小割りにして大・中・小揃える

    太い薪はまず木目に沿って刃を当てる。斧の背の真ん中を枝などでコツコツ叩いて刃を食い込ませ、刃が入ったら力強く叩く。ケガ防止のため薪は手で支えないこと。

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    さらに小割りにするときは、薪を寝かせて繊維に沿って斧で割る。一度刃を入れて捻れば簡単に割れる。細い薪なら、ナイフでもいい。刃の根元を薪に平行に当てて叩く。

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    細い薪から太い薪へ徐々に火を移していくので、3〜5段階ぐらいの太さの薪を用意。太くなるほど、一度に加える量は少なくする。

    Q .着火剤を買うのを忘れた!どうすればいい?

    A.「身の回りにあるものを利用しよう」

    油分が含まれる製品や食品なら着火剤に代用できる。ただしそのままでは火がつかないので、燃えやすいコットンなどに包んで使用しよう。

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    保湿剤に使われるワセリン(主成分がパラフィン)やロウソク、油脂分のあるチョコレート、リップクリーム(ほぼワセリン)など。

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    パフコットンでワセリン(2gほど)を包みボールを作る。アルミ箔で包めば、携行も楽だし広げてそのまま使える。5分ほど燃焼。

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    Step3
    焚き火をする場所作り

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    焚き火をするのは平らな場所がベスト。燃えやすいものがないよう、落ち葉や枝を払う。風があるときは広め(周囲1.5〜2mほど)に。

    Step4
    焚き火台で火をおこそう

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    焚き火台の中心に着火剤を置く。地面のダメージを軽減するヒートシールドを敷くこと。

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    着火剤の後方に、横に1本薪を渡す。細い薪(小枝ほど)を中心に向け多めに立てかける。

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    割り箸ぐらいの太さの薪をその上に重ねる。空気を通すため潰れないように注意する。

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    さらに鉛筆ぐらいの太さの薪を数本重ねる。太くなるほど、加える本数は減らすこと。

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    着火剤に火をつける。火がついたらあまりいじらない。火は空気の通り道を伝い広がる。

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    火が安定したら大きめの薪を少しずつ追加。炎が出ないときは火吹き棒で空気を送る。

    Q 焚き火台によって薪の組み方って変わるの?

    A.「焚き火台の形や目的で変わります」

    1本の枝に立てかける差し掛け型は、薪が長持ちするので調理や暖をとるのに向く。ほかに観賞に向く井桁型、照明に向くピラミッド型なども。深い焚き火台は薪を縦に差し込むといい。

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    差し掛け型でも中央が凹んだ焚き火台の場合、真ん中に横木を渡し両側から薪を立てかける。焚き火台に合わせ工夫しよう。

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    ピラミッド型は火柱が高く上がるので、明かりとりに最適。ただし炎のコントロールが難しいので調理には不向き。

    Q 広葉樹ならどんな樹種を選んでも大丈夫?

    A.「基本OK! ただし樹種によって特徴があります」

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    もっとも普及しているのがナラ。広葉樹のなかでは火つきが良く長期保存にも向く。雑木林の代表的樹種クヌギは炭の材料としてもよく使われ、着火はしづらいが高火力を長時間持続。ほかに甘い香りが漂うサクラや、備長炭の原木になるカシ、音が楽しいクリなども。

    教えてくれたのは

    木葉社:小池コータローさん

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    火の管理をするのが 楽しくもあり、 でも難しいんです

    ブッシュクラフトインストラクター、防災士と多才。間伐材を使ったプロダクトデザイン「yaso」の商品開発も。森の総合カルチャー体験施設を開くべく奮闘中。

    ※構成/大石裕美 撮影/山本 智(BE-PAL2021年12月号より)

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