2016.12.21

【世界を旅するネコ:後編】生活するように、のんびり気ままに旅をする。猫と一緒だから味わえる、旅の楽しみ方とは?

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バルセロナ(スペイン)2015

バルセロナ(スペイン)2015

15年の間に、ヨーロッパを中心に37ヵ国もの国々を旅してきた黒猫のノロ。そのノロとの旅の日々をまとめた書籍『世界を旅するネコ  クロネコノロの飛行機便、37ヵ国へ』を刊行された平松謙三さんへのインタビュー後編では、異国の地でノロと平松さんがどんな風にして旅をしてきたのか、詳しくお話をうかがいました。

——平松さんはノロと一緒に、これまでヨーロッパの国々を中心に旅をされてきたわけですが、それらの国々の中でも、ペット連れで旅をしやすかったのは、どの国ですか?

平松謙三さん(以下平松):フランス、イタリア、ドイツ、スイス、オランダ、イギリス。旧西欧エリアは非常に楽です。ペットを連れて移動することにみんな慣れていて、ペット同伴可能なホテルも多いので、どこでもだいたい泊まれます。スペインはペットNGなホテルがちょっと増えるんですが。あと、北欧は少し神経質なところがあって、ホテルやタクシーでペット連れに制限がある場合もあるので、おおらかに旅ができるかどうかという点ではちょっとマイナスです。ただ、どの国も日本と比べたら天国ですよ。

——日本は、そんなにペット連れの旅がしづらい環境なんですか?

平松:日本のホテルのペットの受容率は非常に低いです。この10年間くらいでリゾート地などのペット連れ向けのホテルやペンションは増えたけど、普通のホテルや旅館でペット同伴可になったというのはほとんど聞きません。特に東京は厳しくて、ペットと一緒に泊まれるホテルは、ホテル予約サイトで検索しても1、2軒くらいだと思います。日本ではペット同伴が「売り」になるんですが、ヨーロッパでは普通のホテルの「バスタブあり/なし」と同じような位置づけでの「ペット可/不可」。あくまでスペックの1つにすぎないんです。

タリン(エストニア)2016

タリン(エストニア)2016

——なるほど。ペットを連れて旅をするという点では、日本よりもヨーロッパの方がはるかに旅しやすいんですね。

平松:僕が海外にノロと行くようになったのは、それが一緒に旅をする上でストレスがなくて、国内旅行より楽だからなんです。家族として一緒に連れて行って、自然に過ごすことができるので。ヨーロッパでは、スーパーやデパート、飲食店でも、ペットと一緒に入れるところが多いので、こちらがするべき気遣いをきちんとしてさえいれば大丈夫です。

——現地のホテルは、どうやって見つけているんですか?

平松:昔は、それがカッコイイと思ってたから飛び込みで探し歩いたり、当日電話で予約したりしてましたが、今はもうホテル予約サイトで予約しています。「ペット同伴可」のチェック項目で絞り込み検索して、予約する時に「ペットと一緒に行きます」と備考欄に書いておいて、あとは行くだけ。昔に比べて、ものすごく楽になりました。

——現地での移動手段は?

平松:ほぼ、レンタカーですね。「動く部屋」をキープできるようなものなので、ヨーロッパで気楽にペットと旅をするには必須だと思います。ノロはレンタカーの中でも、日本で僕の車に乗っているのとまったく同じ、リラックスした様子です。後部座席にキャリーと爪とぎを置いておくと、だいたいそこか、ヒマになると助手席の足元に、という感じ。飛行機の機内と同様、車の中でどう過ごせばいちばんリラックスできるか、ノロは自分でわかっていると思います。

フリヒリアナ(スペイン)2008

フリヒリアナ(スペイン)2008

——日本でノロが普段使っている身の回りのグッズは、そのまま旅にも持っていくんですか?

平松:そうですね。たぶん、別のものに変えてもノロは大丈夫だと思いますけど。唯一トイレは、以前折りたたみ式の携帯用猫トイレを試してみたら、合わなかったことがあって。ノロはふだん番重(給食の配膳などに使われるアルミの蓋付き容器)をトイレとして使っていて、そのふちに片足をかけてりきむのが彼のスタイルなんですが、携帯用トイレではそれができなくて、ストレスになってしまったんです。それ以来、家と同じ番重の小型のものを選んで持って行くようにしています。

——旅の中でトラブルに遭遇したことは?

平松:基本的に「トラブルが起こらない」ことに全神経を集中して、周到に準備をするという旅の仕方をしています。ただ、本にも書いたんですが、シリアのダマスカスでノロが体調を崩したときはちょっと焦りました。さっき話したトイレにも関係するんですが、ノロがトイレのときに片足をかけられないのを気にして、おしっこが出なくなってしまったんです。それはストレス由来もあるし、当時ちょっとその兆候があった泌尿器系の疾患が原因でもあったんですが、それに備えて用意していた薬が底をついてしまって。

——どうやって対処したんですか?

平松:日本のかかりつけの獣医さんに国際電話で必要な薬を聞き、ネットで英語の名前を調べて、現地の領事館に獣医さんを紹介してもらいました。現地の獣医さんが扱うのは主に家畜なので、注射器で打つタイプの薬しか手に入らなかったんですが、打ち方を教えてもらって処方したら、さすがにそれ一発で治りました。ノロは身体が強くて、大きな病気をしたこともないし、海外で体調を崩した経験は他にまったくないんですが、そのときだけはちょっと肝を冷やしました。

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