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    2016.05.25

    小澤征悦のガイドで魅惑の「アメリカ国立公園」を体感!

    アメリカ合衆国、国立公園制度の誕生から100年。プロの冒険家3人をガイドに、アメリカ国立公園を巡る旅が始まる――イエローストーンの間欠泉やヨセミテ渓谷の深い森、ケタ外れの雄大さを誇る自然の風景と、それを背景にしたラフティングにマウンテンバイクにアイスクライミングのド迫力。IMAXスクリーンで”体感”するオフトレイル・アドベンチャー『アメリカ・ワイルド』で日本版のナレーションを務める小澤征悦に聞いた。

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    ――オファーを受けたときの印象から教えて下さい。

    「オリジナル版はロバート・レッドフォードさんで、あれほどの名優が務めたナレーションの日本版を自分がやっていいの? と(笑)。それで映画を観ると、映像は素晴らしい、の一言に尽きますよね。僕としてはやはりナレーションが気になったのですが、そこもさすがでした。あまり抑揚をつけず、飾りのない声で。映像の力が強いから声も過度に演技してしまうとぶつかってしまう。自分もなるたけ映像の邪魔をしないよう意識しました。この映画には大自然の強さと怖さも映し出されますから自分は気持ち的には抑えめに、大自然に対する尊敬と畏怖の念みたいなものを想いながら出来たらいいなと」

    ――ご自身が幼少期を過ごしたボストンの家は自然に恵まれた環境だったとか?

    「街から車で15分ほどの郊外でいわゆる住宅地でしたが、家の周りは森ででっかい岩があったりして。感覚的には軽井沢くらいのところです。夏には一か月半ほど、さらに車で2時間行った”タングルウッド”という森の山小屋のような家で過ごしました。小学生のころには姉と二人で”シークレットハウス“をつくったりして。棒を立てて布を一枚張った”おままごとキャンプ”みたいなもので、クッキーや漫画を持ち込んだりして過ごした記憶があります。秘密基地だ! なんて言ってましたが、家から見えるんですけど(笑)」

    ©VisitTheUSA.com

    ©VisitTheUSA.com

    ――映画にはラフティングやマウンテンバイクが登場しますが経験はありますか?

    「ラフティングは日本で、ライン下りのようなものをやったことがあります。前の晩に飲み過ぎちゃって軽~く二日酔いだったので、船の揺れに酔っているのかなんなのか分からなくて。川に飛び込んでいいポイントがあって勢いで挑戦したのですが、思いっきりお尻を打った記憶があります(笑)。実は……僕はよくアウトドア派と思われるのですが基本的にインドア派で、喫茶店で小説を読んでいる方が好きなんです」

    ――国立公園であるグランドキャニオンは訪れた経験があるそうですね?

    「20~21歳にかけてアメリカの大学へ、英語の勉強のために留学しました。そのとき初めて芝居の勉強をしたのですが、もう一つどうしてもやりたかったのが車でのアメリカ横断。野郎二人で決行しました。ボストンからサンフランシスコへ、1週間ほどかけて。運転しっぱなしで夜は車中泊。時速100キロで昼間3時間走っても一台の車ともすれ違わないし、いっこうに景色が変わらないんです。ほんと~になにもないところをずっと走るのですが、その途中でグランドキャニオンに立ち寄りました。夜中に着いて崖のところに行ってみると真っ暗でなにも見えない。翌朝改めて行くと、あまりの景色に足がすくんで前へ行けませんでした」

    ©VisitTheUSA.com

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    ――訪れてみたいアメリカ国立公園はありますか?

    「以前からヨセミテとイエローストーンには行ってみたいとずっと思っていました。ヨセミテには樹齢何千年のセコイアの大きな木があって、そんな”大先輩”みたいな存在にあってみたいなと。イエローストーンでは野生のオオカミが見てみたい。実は姉もオオカミが好きでイエローストーンへ見に行ったことがあって、僕もチャンスがあれば行きいなあと。……そもそも”国立公園”というのはセオドア・ルーズベルト(第26代アメリカ大統領)の発案でつくられたわけですが、それは後世に大変な宝物を残してくれたと思うんです。ニホンオオカミは絶滅したとされ、それによってシカが増えて生態系のバランスが崩れ、そのシカが畑を荒らすので殺さなきゃいけないという訳の分からないことになったりしてますよね。でもアメリカでは国立公園というカタチで、国中に手つかずの生態系を残したことは素晴らしいなと」

    ©VisitTheUSA.com

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    ――そもそも動物がお好きなんですか?

    「好きですよ。実家でもボーダー・コリー犬を飼っています。映画にプレイリードッグが出てきましたけど、あまりにかわいくて……叩きたくなりました(笑)。遡上するサケを食べようとするクマの映像もありましたが、ああいうシーンは僕が以前ナレーションをやらせて頂いた『ディズニーネイチャー クマの親子の物語』という映画にも登場しました。クマが口を開けてサケが入ってくるのを待つ姿って、ちょっとマヌケでかわいいですよね」

    ――この映画をどんな人に観てもらいたいと思いますか?

    「この映画のいちばん大切な役割は、子どもたちに観てもらうことかなと。いままで観たことのない世界に触れてアメリカに興味を持つかもしれないし、自然や動物に興味を持つかもしれない。そういうきっかけみたいなものになってくれたら。アメリカに住む人にとっては国立公園で子どものころから大自然を肌で感じ、そこで怖い目に遭ったりして、多くを学び経験値がもらえる。そういう意味でも国立公園は大切なものだと思います」

    (c)Dmitri Fomin

    (c)Dmitri Fomin

    ――映画の終わりに”自然保護の父”と呼ばれるジョン・ミューアの言葉が流れます。「大自然の中にこそ世界の希望がある」という言葉をどう思いますか?

    「まさにそれはいま言ったことに通じますよね。公害や原発の問題でも”このままでは地球が滅びる”などと言われますが、住める環境がなくなって人間が淘汰されるだけで、自然は残りますよね。だってそうでしょ? コンクリートで囲まれた東京からなにかの拍子で人間が姿を消したとして、百年二百年経ったら、コンクリートを突き破って木が生えてきますよ。それだけ木というのは強い。人間は木や動物を支配したつもりになっていますが、実は支配されている側。コントロール出来るわけがないんです。そうしたことをキチンと感じ、どうすべきか考えていかないと人間は本当にまずい状況に陥るかもしれない。そんなことを考えなければいけない時期に来ているのかもしれません」

     

    小澤征悦(おざわ・ゆきよし)
    1974年6月6日生まれ、カリフォルニア州出身。98年NHK大河ドラマ「徳川慶喜」で俳優デビューし、翌年『豚の報い』で映画初主演。最近の主な出演作は映画『64-ロクヨンー』(前編)(後編6/11公開)、『海よりもまだ深く』(5/21公開)。16年の映画『The Forest』でハリウッドデビュー、海外ドラマ「クリミナル・マインド ビヨンド・ボーダーズ」(日本では17年放送予定)にも出演している。

    『アメリカ・ワイルド』(配給/さらい)
    監督/グレッグ・マクギリヴレイ 出演/コンラッド・アンカー、マックス・ロウ、レイチェル・ポール 案内人/小澤征悦 ●5/21~109シネマズ二子玉川ほかIMAX(R)3D版にて公開
    公式HP:http://americawildfilm.jp/

    ©VisitTheUSA.com

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    文/浅見祥子

     

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