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廃校に命を吹き込む(4)
 いま宿泊施設などさまざまな用途に再利用されている木造校舎、あるいは、いまだ用途が決まらず、草の生えた校庭の奥で立ち尽くしている校舎も、建築史という側面から見れば、じつはなかなか興味深いものなのです。

 木造校舎には、明治に始まった学制以来、独自にでき上がった「学校建築様式」ともよぶべきスタイルが受け継がれてきましたが、昭和40年代以降、鉄筋コンクリートへの建て替えが進むにつれ失われました。
 昭和35年生まれの私の母校も、入学したときは独特の風格を持った木造校舎でしたが、5年生のときには箱型の近代的な鉄筋コンクリート校舎になりました。
 木造校舎の宿の魅力は、保存と有効利用を目的とした施設ならではのリーズナブルな設定料金ですが、もうひとつ大きなポイントは、希少建築に泊まる、しかも、誰もがかつて泊まることなど想像もしなかった「学校」であるという、考えようによってはちょっとぜいたくな体験にあります。また、泊まることで、校舎を残したいと願ってきた人たちを自動的にサポートすることになります。

 木造の廃校が注目を集めているとはいえ、未利用の校舎には、老朽化が激しく、再利用したくても修繕費がかさみすぎ、二の足を踏んでいる状態のところが少なくないようです。
ただ、すべての木が腐食しているわけではありません。柱や梁、教室の壁板など、材としてはまだ健康的な部分もあるはずです。そういう校舎は、いっそ古民家再生や古材流通の発想で、オークションにかけてもよいように思います。

 このような建物を買った人は、当然、学校のイメージを尊重して再利用の設計をするでしょうから、学校の面影は何らかの形で残ることになります。教室の窓や扉、壁の腰板、あるいや床板などをパーツ売りする、あるいは卒業生を対象に、思い出の材木から家具や卓上小物を製造販売する、といった再生方法もあると思います。

 木造校舎という物件は、今後ますます貴重な存在になります。その意味でも、よい利用方法が見つからない、手を挙げる人がいないという理由で、立ち腐れするにまかせるのはもったいない気がします。

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