長崎県五島列島の北に位置する野崎島(小値賀町)の『ワイルドパーク・自然学塾村』は、昭和46年の離村と同時に歴史を閉じた、野崎小中学校をリニューアルした施設です。ここに生息する野生鹿の保護管理と、自然体験型環境学習の拠点として平成元年にオープン。多い年は年間1700人、少ない年でも900人ほどの利用客があります。
ここの目玉は、アクセス不便な離島ならではの条件を逆手に取った、ワイルドで濃密な自然体験です。野外活動に関する高度な知識を持った専従インストラクターを配置し、「魚釣りとまき割りから始める親子手作りキャンプ」など、自然豊かな島ならではのユニークな企画を連発しています。また、本島である小値賀島民自身を島に詳しい「教授」としてキャラクター化、来島者とさまざまな交流を図っています。
経営は任意団体ですが、施設は今も町の財産で、町の施設運営管理費(補助金)を原資に運営しています。利用料収入と支出のバランスは、単年度で見ればトントン。建物の老朽化は避けがたく、今の利用者数のままだと、運営は今後厳しさを増すのではないかという不安もあります。
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建物はほぼ昔のまま。脇に植えられた並木が、いい感じの木陰をつくってます。 |
しかし、この施設は、島を訪れた人に確実に大きな感動を残しています。専従プロデューサーの西本五十六さんは「波止場で見送るときのなんとも安らいだ笑顔を見ると、やはり残してよかった」と実感するといいます。
元の島民にも、毎年一度は訪れるという人が多いそうです。そういう島出身者の「私たちの母校をずっと残して欲しい」というしみじみとした呟きも、西本さんがここで働き続ける大きな原動力になっています。 |