本誌はみ出し情報

史上最強の山登り靴はどれだ?

その名も『ビートニク山登り倶楽部』。
自由奔放な山登りを愛するヘナチョコ登山集団である。
今回は、メンバーのうちの4名が、20kgのバックパックを背中に、 神奈川県横須賀市/鷹取山の急斜面で、シューズテストをおこなった。
履き比べたのは、BE-PAL編集部が綿密なリサーチのもと厳選した15モデル。
いずれも最新かつ高性能な機能を搭載した、すばらしい山登り靴ぞろいだ。
そのなかで、ナンバーワンはどれか?
重い荷物を背負ってエッホエッホと斜面を歩き、
雨にふられてドロドロになりながらの鬼テスト。
雑誌の誌面では紹介しきれなかった詳細なテストの模様を、
ここで実況中継しちゃいます! (2003年5月)

* 屋外で履くことができなかった一部の靴は、モンベルクラブグランベリーモール店の室内トレイルでテストしました。


スミカワ隊員

エンドウ隊員

ボブ隊員

イノウエ隊員
遠泳と自転車通勤とポエムを愛するドジでおっちょこちょいな編集者。先日、金魚を買いに行った際に、金魚のビューティフルな泳ぎに見とれるあまり、飼育池に落ちて携帯電話を死亡させた。ローカット部門では、すばらしいソールが路面のショックを吸収してくれるバスク/メンズベロシティー。ハイカット部門では、ガンダムになったようなカチッとしたホールド感に魅了され、ダナム/ワッフルストンパーがお気に入り。 海辺や野原での昼寝をこよなく愛する軟弱アウトドアズマン。ギアを研究するのが大好きだが、あくまでウンチク派で体力には自信なし。ローカット部門では、スカルパ/ヘリウムがお気に入り。土ふまずとかかとのホールド感が高く、足腰が弱くても安定感が得られたのがその理由。ハイカット部門では、メレル/リッジゴアテックスII。アッパーのレザーが柔らかく、靴ヒモをしぼると非常にタイトなフィット感が得られたから。 トレイルランニングからフリークライミングまでオールラウンドに山遊びをこなす現役メッセンジャー(自転車便ライダー)。ギアの知識も豊富。慎重な性格のため人一倍テストには時間をかける。ローカット部門では、軽くてソールのグリップ力が優れているサロモン/プロトレック5 XGTがお気に入り。ハイカット部門では、スカルパ/トレック2GTX。ハイテクヌバックと柔軟性のあるソールの柔らかい履き心地が気に入った。 カヌー旅から登山までこなす冒険野郎。ありあまる体力が自慢だが、生真面目な性格のため、新しいことになじむのに時間がかかる。ローカット部門では、スカルパ/ヘリウムにほれ込んだ。小指の外側がふくらんだ独自の形状による驚異の安定感、甲に吸いつくようなベロの圧迫感はやみつきになりそう。ハイカット部門では、ボリエール/フジ。冬山や重荷での登山など本格使用に耐える重厚な革とソール、質実剛健な雰囲気にほれぼれ。

ハイカット革ブーツ部門
ボブ「お〜い、いつまで歩いてるんだよ〜! 戻ってこーい!」
イノウエ「ワッセッ! ワッセッ!ワッセッ!」
スミカワ「エイホッ! エイホッ!エイホッ!」
イノウエ「ウォー!! まだまだ歩きたりないっす!」
エンドウ「まったくキミたちときたら……もうテストはとっくに終わってるってのに…」

イノウエ「スンマセン。いやぁでも、ボリエールのフジはいいっすねぇ。この重厚な革と頑丈なソール。岩や木の根があっても怖がらずに、ガシガシ足を出せる」
エンドウ「うーん、履く前は『ちょっと重いかな?』と思ったけど、たしかに、ハード、ソフト、ミディアムの3つのラバーを組み合わせた頑丈なソールは、重荷での登山によさそう。グリップ力もいいよね」
ボブ「うん。このソールなら路面の衝撃がじんわりと拡散されるから、長時間岩場を歩いても足裏が疲れないと思う。4シーズン対応でワンタッチアイゼンがつけられるのも頼もしい」
スミカワ「でたね、エンドウとボブのウンチクが。でも、こっちのスカルパ/トレック2GTXだってなかなかの靴だよ。ソールもアッパーもソフトな履き心地。指の付け根が曲げやすくて、地面をつかむような感じで跳ぶように歩ける」
エンドウ「うん、ミッドソールに柔軟性があるからね。それに、アッパーは、シリコンを浸透させて防水性を高めた柔らかいヌバック革で、足首も動かしやすい」

スミカワ「下りでは、衝撃吸収性のよさが目立ったなぁ。重い荷物を持って落差のあるところをジャンプしても、地面の凸凹が足裏に響かない。あと軽さも魅力的だよね」
ボブ「チッチッチッ! おまえら、ダナム/ワッフルストンパープレミアMWH901を忘れてないか? この靴は、なんてったって、アッパーと一体化した『袋ベロ』がいいよ。甲からくるぶし、足首までガッチリとホールドされて安定するからね。それに、インソールの衝撃吸収性もいいからガシガシ足がくり出せる」
エンドウ「うむうむ。この靴の安定感の良さは、かかとがウレタン素材で補強されているからでもあるんだな。まあ、でも、なんといってもこのデザイン! クラシカルな感じとハイテクな要素が組み合わさっていて渋いよね」
スミカワ&ボブ「う〜ん、たしかにこのデザインは、文句なしにカッコイイ!」

ボブ「あと、おれは今回唯一の国産メーカーのモンベル/アルパインクルーザー2300 Men'sを評価したいなぁ。だって、この足首の3段にわかれたパッドがいいもん。ここがすごく柔軟に変形するから、岩場や高い段差でトリッキーな動きをしても、足首にゴツゴツあたらないんだよね」
エンドウ「そうそう、それはかゆいところに手が届くって感じの機能だよね。この靴は、日本人の足型にあわせてデザインされているから、甲が高くて足幅が広い僕らの足にしっくりとなじむしね」
スミカワ「ソールや足裏感覚は硬め。だけど、とくに登りでグリップ力を発揮してグイグイ登れる感じだよなあ」
ボブ「ところで、イノウエの奴、さっきからなにガサゴソしてるんだ?」
イノウエ「えっ!? いやその…」
一同「ゲーッ! なんだこりゃ〜!!」

イノウエ「エヘヘ! ビール20kg分をザックの重しにしてたんスよ! さあ、もう今日はこの辺にしてガンガン飲みましょう! ひと汗かいたあとのビールはうまいっすよ。クゥ〜!」
ボブ「…う〜む、なんてオメデタイやつ。体動かすことか酒飲むことしか考えてないな…」
エンドウ「おっと、でも、まだ飲むのは早いぞ、イノウエ! これからローカット部門のテストがあるんだもんな! それが終わるまでビールは、おあずけだな!!」
イノウエ「ガ、ガビ〜ン!!」(死語)
採点結果
ダナム/ワッフルストンパープレミアMWH901

ボリエール/フジ

メレル/リッジゴアテックスII

スカルパ/トレック2GTX

モンベル/アルパインクルーザー2300 Men's

ガルモント/マウンテンライトGTX*

ローバー/トロントGTX WXL*

* はモンベルクラブグランベリーモール店のテストトレイルでテスト

ローカット韋駄天シューズ部門
採点結果
スカルパ/ヘリウム
ザ・ノース・フェイス/ウルトラ102

メレル/カメレオンゴアテックスXCRロー

サロモン/プロトレック5 XGT

バスク/メンズベロシティーGTX XCR

モントレイル/エクセラレースXCR

ガルモント/コリーナ*

ダナム/
ワッフルストンパーグライドロー*MWM600

 

ボブ「さてと。ローカット部門では、ライト&ファーストな日帰り登山に向いているシューズをテストしたわけなんだけど、グランプリは満場一致で、スカルパ/ヘリウムだったね」
エンドウ「うん。これは、軽登山用のアプローチシューズとランニングシューズの機能を融合したシューズだけあって、ローカットとは思えないほど、安定感があるよね。土ふまずのあたりがガッチリと支えられるから、しっかりふんばれる」
ボブ「なによりすばらしいのは、足指の付け根部分がワイドに広がっているソール形状。小指の外側が出っぱっていて、これがすばらしいグリップを生む」
イノウエ「こういうソールが硬めのクツは、岩とか木の根が多い道でもガシガシ歩けるのがいいっスよ。だって、足先が岩にあたっても痛くないからね、ほらっ! ドスドスッ」
スミカワ「タイトにホールドされる感じで、足首をひねることも少なそう。ローカットでもこんな靴なら、捻挫とかしにくいだろうねえ」

ボブ「ところで、バスク/メンズベロシティーGTXXCRはどうよ? 革製の本格登山靴を作ってきた名門ブランドが満を持して開発したローカットシューズ。スカルパとは対照的に、ソールもアッパーもかなり柔らかいけど、評価が高かったじゃん」
スミカワ「これは、なんていうか、じつにイイ感じの柔らかさなんだよ。足の力がまんべんなくじんわり地面に伝わって、凸凹路面をしっかりとグリップしながら歩ける感じ」
ボブ「この靴の最大のポイントは、『靴ヒモの上からジッパーを締める』という独特のホールドシステムだよなあ。歩いてる途中にヒモがほどける心配はないし、ジッパーで締めることで、アッパーが甲に吸い付くようにフィットする。ソールの接地面も大きい。足袋のような発想のシューズといえるね」

イノウエ「つま先とかかとのクッションもかなりスゴイっスよ、ほらっ! サクサクッ。うーん、なんか、気持ちいいっス。また歩きたくなってきたっスッ!」
スミカワ「あっ、ずるい! おれにも履かせろよ!」
イノウエ「キャッ、強引に脱がせないでよ。もう、乱暴なんだからぁん」
エンドウ「おいおい、なんで急にイチャイチャしてんだよ! でもさ、ボク的には、この靴は全体的にソフトで足が疲れやすく感じたんだけど」
ボブ「たしかに、柔らかめ、硬めのどちらにするかは、好みもあるだろうなあ。エンドウみたいに、険しい山道を歩きなれていない場合は、足首やかかとを支えてくれる硬めのクツの方が歩きやすいかもね。あれ、イノウエ、今度はなにしてんの?」
イノウエ「モントレイル/エクセラレースXCRをもういちど履いてみてるんス。この靴もかなりぴったりフィットでしたよね。ウェットスーツみたいに超タイトフィットだから、履くのがたいへんなんスけど…よいしょっと」
エンドウ「これは、インソールも秀逸だよね。土ふまずがかなり高くなっているから、自然と足が前に出る感じがする。こういうインソールが足を押し出してくれるような靴を選ぶと、スピードハイクのときに楽だよね」

ボブ「でもさ、荷物の少ないスピードハイクということでいえば、メレル/カメレオンゴアテックスXCRローやザ・ノース・フェイス/ウルトラ102のように、超軽量でソールのクッション性が高い靴を選ぶという手もあると思うなあ」
イノウエ「よし、履けたぞ! クッション性やグリップ力がそれほどあるわけじゃないから岩場には向かないかもしれないけど、たしかに足運びがスムーズっスね。ああ、もう歩きたくてガマンできないっ! ちょっと行ってきまーす。ウホホ〜イ! ドスドスドスッ」
スミカワ「あっ、待て! 自分だけ楽しんでズルイぞ。おれも行くぞ〜ドリャー!」
エンドウ「ちょっと待った! ボクも足腰鍛えたくなってきた。一緒に行くよ! ウォー!」
ドスドスドス、バタバタバタ!
フンガー! ガウガウ! ヒヒーン!
し〜ん。

ボブ「あ〜あ、みんな行っちゃった…。そろそろ暗くなってきたから帰ろうかな。このあと、某女子大の登山サークルと合コンセッティングしてあったのに…バカだなあいつら。イノウエのビール持ってひとりでいっちゃおうっと! ムフ」
* はモンベルクラブグランベリーモール店のテストトレイルでテスト


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