アウトドアエッセイ

鉄子の部屋

★第17回 北海道ちほく鉄道『ふるさと銀河線』の旅・裏ネタ


陸別駅2階にある宿泊施設『オーロラハウス』の室内。線路側の部屋からは列車が見えます!時には保線作業の様子も
  『ふるさと銀河線』は北海道の東、北見と池田をつないで走るローカル鉄道です。
 沿線にはキタキツネやエゾシカが姿を現す高原、ジャガイモ畑やタマネギ畑が続く十勝平野といった北海道らしい風景が展開。立ち寄りたい駅も多く、オーロラ撮影に成功したことで知られる陸別町には駅舎ホテル『オーロラハウス』があります。室内はシンプルなビジネスホテル風ですが、線路側の部屋からは列車が見えるのです!

 今回の取材でもオーロラハウスに泊まり、列車の音を聞きながら旅の夜を迎えました。
そして以前に宿泊した時はこんなこともありました。
 春雨が降った日の明け方、私は外から聞こえる微かな物音に目が覚めました。
「・・・何だろう?」
 カーテンを開いて窓の外を見ます。
 町も森もまだ寝静まっている夜明け時。グレーに煙る空。
ワインの里で知られる池田町。駅前には大きなワイングラスの噴水があります。
乳白色の霧に包まれた線路の上を歩いている人たちがいます・・・え?
「こんな時間に? 夢見てる?」
 ちょっと寝ぼけてて、おまけに近視なので視界もボケぎみ。
メガネをかけて時計を確認。午前4時少し前。
窓を開けると線路にはやっぱり人がいて、
話し声も聞こえる。
「・・・あ、枕木交換だ」
 そう、外では保線作業が行われていたのです。
 しばらく作業を見物して再び寝入った後、
今度はゴトゴトという列車の音で目覚めます。
鉄道員たちによって守られている線路。
その上を走るディーゼルカー。
なんだかとっても幸せな朝の訪れでした。


境野駅舎内の喫茶『まくらぎ』。店内には薪ストーブなど古い生活用品が並ぶ


一般企業のロゴマークがそのまま駅名板に使われている岡女堂駅
   境野駅には喫茶『まくらぎ』が入店。国鉄時代からの木造駅舎を利用した喫茶店は厨房や内装を始め、丸太作りのテーブルやイスも全て手作り。店の主人がここで営業を始める時、近所の人たちが店づくりに協力してくれたとか。人の手が通ってる店内はとても暖かな雰囲気が漂っています。

 岡女堂駅は甘納豆メーカーのロゴマークがそのまま駅名板になった全国的にもめずらしい駅。ホームの横には小さな『豆神社』が建っています。
 岡女堂の社長さんによると、
「縁結びに御利益があるんですよ。私の知人でこれまでに7人の方がこの神社をお参りした後に結婚が決まりました」というエピソードも。
岡女堂駅ホームの横にある『豆神社』 畑に囲まれた無人駅『豊住』。(右)



車窓にはジャガイモ畑やタマネギ畑などパッチワークの大地が広がる(左)


『999号』車内にもメーテルと鉄郎のイラストが。松本零士さんのサインも飾られています

ラッピング列車『999号』
  昨年には松本零士さんの漫画『銀河鉄道999号』のラッピング列車が登場。メーテルや鉄郎が描かれた『999(スリーナイン)号』が毎日運行しています。

 本誌にも書きましたが、ふるさと銀河線は今、存続の危機にたたされています。累積赤字の解決策を模索中で、今後はバス転換を含めた幅広い選択肢が検討されていくことになっています。
「まだ廃止と決まったわけじゃない」
「存続を願っている」
 今回の取材で地元の方々から何度もその言葉を聞きました。

 そして私も、緑豊かな高原と十勝平野を駆け抜けるこの路線がいつまでも走り続けてくれることを祈っています。


●今月の「ミス・トレ倶楽部」
 JR北海道客室乗務員
金留明美さん

「学生時代から客室乗務員に憧れていたので、入社が決まった時は自分でも信じられませんでした。今日が始めての乗務なので頭が真っ白になるくらい緊張しています!
 昨夜は緊張と不安で眠れず、列車の仕組みやサービスの流れをずっと復習していました。
 北海道で好きな場所は私の地元、千歳市です。都会でもあり、秋には鮭が遡上する千歳川を始め自然にも恵まれています。おいしい食べ物屋さんも多いので、ぜひ訪れてみてください」


*特急『オホーツク』車内にて


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