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“恐怖”の象徴といえば、なんといっても「八岐大蛇」である。若い人に説明するなら、これは「やまたのおろち」と読み、8本の頭を持った大蛇(怪物)が村人を襲う日本の代表的な神話だ。
なぜ怖いのかというと、じつはこの話しに出てくる大蛇、絵本にもアニメにもなっているにも関わらず、その蛇の全体像を誰も知らない(キャ〜ッ怖い!)。なぜなら、大蛇の8本の首の付け根部分を描くと、タコやイソギンチャク、ツチノコみたいになっちゃって、どうしてもマヌケに見えてしまう。そのため、絵にするときは、わざと体部分を省略して描いているからだ。
さあ、皆さんも絵に描いてみましょう。8本の頭を持った八岐大蛇、怖く描けますか?
かつて八岐大蛇の漫画映画に携わったアニメーション映画監督、宮崎駿さんは、こんなことを言っていた。
(以下、本誌記者が一緒に仕事をしていた頃の談)。
「実際に見えるものというのは、じつは怖くない。得体が知れないからこそ恐ろしい…」
幽霊もテロも死も、見えないから恐怖が募る。怒りも嘘も嫉妬も人を利用する罪悪も、自分自身の間違いが見えないからこそ何度も繰り返し、恐ろしい化け物になる。八岐大蛇は、人間の中に潜む“恐怖”や“不安”の現れ。この怪物と戦うためには、自分自身の弱さや欠点と真剣に対峙するしか方法はない。
* *
今、押入れの中にいる“恐怖”に立ち向かおうとしているふたりの姉妹も、まさにその心境であった。過去の自分なら、だれかに泣きついて頼むところだが、今のふたりは違った。
「自分の中にある弱さや不安に打ち勝つためには、自らの手でこの襖を開けなければならない…」
厳しい自然の中での暮らしは、彼女達に、その八岐大蛇の道徳を、しっかりと教えていた。
「いい? 開けるよ」
シホとレアは手を握り合い、するすると襖の扉を開けた。中を覗くと暗闇の中で赤い目がキラッと光った。
「ヒ〜ッ! やっ、やだ〜っ! 何なのコレ〜っ!」
中には、体長50cmほどの黒褐色の動物が2匹。鼻にはくっきりと白いラインが見える。ジャコウネコ科の野生動物「ハクビシン」だ。しかもその2匹はただのハクビシンではなかった。襖を開けたにもかかわらず、微動だにせず、じっとこちらを鋭い目で見ている。なぜならそのうちの一匹は、なんと、お産をしている最中だったのである。
(つづく) |
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↑我が家の冬の暖房は、この火鉢。キャンプ場の朝は、炭に火を起こす
ところから始まります。寒いし大変だけど、この炭火で焼いて食べるお
餅の美味しさは格別。私達、今、コレにはまってます!
イラスト・・・シホ
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