アウトドア関連書籍
カワムツの朝、テナガエビの夜
BE-PALでお馴染みの野田知佑さんの単行本がついに発売となりました!
『カワムツの朝、テナガエビの夜』は、
本誌で'01年4月から'03年4月まで連載された『のんびり行こうぜ』を
単行本化に合わせて再編集したもの。
野田さんのカヌーへの想い、自然への想いがぎっしり詰まったエッセイです。
いつまでも変わらないステキな“野田知佑ワールド”をiBE-PALでチョットだけお見せします!!

第1章 雨を待つ日々

『焚火をして体を温め、ジャガイモを焼く。ロッキーカップに水を入れ、焼いた小石を入れると沸騰する。ミソをといて、土手のフキノトウを小さく刻んで入れる。ほろ苦い春の匂いと味。ドンコが2匹釣れたので、それをこんがりと焼き、カップに入れて焼酎をそそぎ、これにも焼き石を入れて熱燗にする。ドンコの骨焼酎だ。』
(ドンコの骨焼酎 より)

『犬を見て恐がって逃げる子より、犬に意思を投げる子の方が見込みがある。
昆虫、魚、犬猫、小鳥・・・。子どもは生き物と遊ぶのが一番面白いのだ。あまりかわいがりすぎて殺してしまうが、そういうことはたくさん経験させた方がいい。』
(川ガキ養成講座 より)


第2章 黄金の誘惑

『河口の手前で上陸する。ハラヘッタと呟いたら、そこへ軽トラックがやってきて、チャルメラを鳴らした。なんとも嬉しいことにラーメン屋の車である。高知ではラーメンの屋台車が腹の減っていそうなお客を探して向こうからやってくる。とてもいい所なのである。』(肥後の守 より)

『「カヌーの旅を際立たせているのは、それが他のものより急激に人を純粋にすることだ。汽車で1000マイル旅をしてもダメな奴はダメなままだし、自転車で500マイル、ペダルを漕いでもブルジョアはブルジョアのままだ。しかし、カヌーを100マイルも漕げば、人はすぐに自然の子になる」
こんなことを言う首相を持つカナダを、いい国と思う。』
(ナハンニ川 より)


第3章 ふるさとの匂い

『砂を踏んで、ゆっくり歩く。川底で冬眠していたカマツカが次々に顔を出す。そっと頭から網をかぶせ、ちょっと待つと、カマツカが網の中で飛び上がって暴れる。体長10センチの獲物を腰から下げたビクに落とし、次のカマツカに網をかぶせる。時々、シマドジョウが川底から飛び出してくる。水温が低いので魚はあまり動きがなく、砂の上でじっとしており、簡単に捕れる。』
(カマツカ踏み より)

『吉野川下流の川島町で観光開発会議が開かれた。(中略)ぼくはこう言った。「四万十川は全国的に有名になり、たくさんの人が訪れるようになった。しかしほとんどはカヌーのテント泊なので、商工会が期待するような経済効果はない。だが重要なのは外に出ていた若い人たちがUターンして帰ってくるようになったことだ。それで充分じゃないですか。」』
(生暖かい雨 より)


第4章 月明かりの河原

『昔に比べ汚れたとはいえ、これだけ大きい吉野川が、ある水準の美しさを保ち、多くの市民に娯楽を与えていることに感心させられる。こんないい川を長良川のようにしてたまるか、と思う。』
(秘密の川 より)

『潜り道具を持って川に入った。箱メガネで川底を見ながら少年がゴリを釣った。日本の渓流に潜って遊ぶことほど楽しいことはない。深い所は淡いコバルトブルー色になっている。水に入ると、目の前を矢のようにアユが駆け抜ける。セルビンをつけてウグイとカワムツを捕った。』
(夏の嵐 より)


第5章 趣味的な人生

『犬を連れて宿舎の周りを散歩した。見渡すかぎりのススキの原を歩く。思わず立ち止まって、まじまじとあたりを見まわすほどの濃厚な秋の気配である。長野は川より山だ。秋の山のこの趣は素晴らしい。犬が喜んで草むらの中に突入し、走り回る。こんな広い原っぱを前にすると、人も動物も強烈な開放感を持ち、2匹の犬は遥か彼方から走ってきて、ぼくの足にドンと体を当て幸福感を表明した。』
(エビ玉 より)

『メジナのうろこを取り、腹を出して、一匹そのまま飯盒の中に入れて炊いた。ご飯が蒸しあがったところでフタを開け、頭を?んで身を落とし、ちょっと醤油をかけて混ぜ、メジナ飯にした。残ったカメノテをミソ汁の具にする。ダシが出て、とてもうまい。いい食事である。』
(終の住みか より)


お求めはこちらから



『チョイ読みスタンド』インデックスへ